石破首相がキレた「農水省と族議員のウソ」コメ高騰の戦犯は明白も、小泉進次郎農水大臣に「減反廃止」の大ナタを振るえるかは未知数?

 

石破首相の同志、小泉進次郎・新農水相も「丸め込まれる」恐れ

事実、農水族議員の大物たちにまわりを固められ、石破首相は身動きとれない状況だった。そこに起きたのが、江藤・前農水相の失言問題だ。

いったん続投を認めたものの、批判がおさまらないため一夜にして更迭へと方針転換。局面打開策として、農政改革の同志、小泉進次郎氏を新しい農水大臣に起用した。

一人だと農水族の壁を打ち破る勇気はないが、二人ならできるということか。だが、その小泉氏にしても威勢のいい発言のわりに腰砕けとなることが多い。党農林部会長だった時と同じように、老獪な森山幹事長に手もなく丸め込まれそうな気がしないでもない。

それにしても、石破首相に小泉起用のチャンスを提供した江藤氏の発言は酷かった。

「私もコメは買ったことありません。支援者の方々がたくさんくださるんで」。

全く呆れるほかないが、典型的な農水族議員の本音でもあろう。コメ価格の高騰に対処すべき総責任者だったにもかかわらず、消費者の実感に寄り添おうとしない。「支援者がくださる」という言葉から、農水族議員としての長年の習性が骨の髄まで染み込んでいることがうかがえる。

米価高騰は、単なる一過性の物価問題ではない。長年放置されてきた農政の“矛盾”が、表面化しただけのこと。この国の食料安全保障を確立するには、政策の大転換が求められるが、自民党政権のままでは永久にできそうもない。その意味で、参院選は有権者にとっても正念場といえる。

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