進次郎に導かれ地獄への道を進むことになる公算大の自民
そうした中で、ベテランの政治ウォッチャーたちの多くは、林芳正官房長官が何とか高市を凌いで決選投票に残れないものかと期待している。
残ったところで小泉に勝てる可能性は小さいが、そこで改めて、テレビ受けはいいが中身が心配な若い衆と、一般的な知名度は高くないが中身がしっかりしている練達の士と、どちらがこの危機状況に相応しいかをよくよく考える機会が生じた場合に、ひょっとして理にかなった結論に至るかもしれないということである。
林は6つの閣僚を経験し、岸田・石破両政権で官房長官を担当し、本人も冗談めかして言うように「困った時の119番」として何でもこなせる力量を備えている。
体質的には、大平正芳、宮沢喜一から加藤紘一へと連なる旧宏池会の保守リベラルの流れがどこへ行ったか行方不明になって久しい中で、まさにその再興者として立ち現れることになろう。
前日中友好議連会長で、官房長官になったため森山裕自民党幹事長にそのポストを譲ったという中国通であることも、“脱安倍化”、ひいては対米自主へのシフトが課題である外交局面には好適である。
連立の組換えに当たっても、まず公明は林なら連立に残ることは確実なので、まずそこを固めて、次に各野党と落ち着いて協議することができる。尖った高市では連立協議は難しく、小泉には老練な駆け引きはできない。
そういう訳で、本誌も含め、この局面では林になるのがせめてもの正当な選択と思えるのだが、現実は、小泉に導かれて自民党は地獄への道を進むことになる公算大である。
(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2025年9月29号より一部抜粋・文中敬称略。ご興味をお持ちの方はご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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