生まれかねない「米中ロ3大国がすべて戦争当事国」となる異常
このところ、王毅外相の動きが再度活発になってきていますが、これまでになく言葉少なめで(ただし、対日批判のトーンは激しいままですが)、国際社会からの非難の矛先が中国に向かず、逆に中国を新たな世界のリーダーに押し上げるための戦略を構築するための根回しをしている気がします。
ただ、アメリカがイラン情勢およびガザ問題を含む中東地域にかかりきりになり、アジア太平洋地域の守りが手薄になる状況が深刻化し、かつその状況が長く続くような状況になれば、すでにアジア太平洋地域における軍事プレゼンスでは最大になった中国と人民解放軍がいつ宿願達成のために台湾に牙をむくか分からない状況が生まれかねません。
一応、台湾の野党党首(親中派とされる)を相手に外交的な働きかけを続けるものの、“仮に中国人民解放軍が行動を起こしても、アメリカは来ない”との確信を深めれば、何が起こるかわからないのが実情です。
そうなったら、米中ロという3大国がすべて戦争当事国となるという異常な状況が生まれ、世界は完全に混乱の渦に巻き込まれ、政治も外交も、経済もすべてがネガティブな状況に陥ることになります。
米ロが侵略したものの相手の反抗に遭い、戦争の泥沼に足を取られているように、中国が台湾に攻撃を仕掛け、仮にアメリカによる介入が軽いか皆無だったとしても、こちらもまた泥沼化し、出口が見えない状態に発展することが容易に予想されます。
3大国が戦争の沼に足を取られて身動きが取れず、紛争の種に溢れた世界各地で支配の拡大を目論む戦いが勃発することになれば、私たちの住むこの世界はますます先の読めない混乱の闇に巻き込まれることになってしまいます。
ではどうすれば、そのような破滅的な状況を回避できるのでしょうか?
これまでお話ししてきた内容に照らすと、これから触れることは皮肉に満ちた、諦めのように受け止められるかもしれませんが、すでにpoint of no returnを越え、引き返すことができないのではないかと思われるレベルにまで進んでしまった世界の分断を修復するには、アメリカの力が不可欠だと考えます。
今回の世界情勢の混乱を受け、中ロのプレゼンスが格段に上がり、かつインド・南ア・ブラジルなどが音頭を取るグローバルサウスのグループの発言力や影響力が上がってきたものの、変わることなく世界最大の経済力を誇り、7つすべての海に海軍艦隊のプレゼンスを誇る最大の軍事力を持つのはアメリカのみです。
イスラエルの暴走を止めることができるのは、イランやアラブ諸国、そして欧州各国ではなく、アメリカしかありませんし、ウクライナ戦争においてロシアの企てを挫くには、アメリカの力は不可欠です。
ただ、現状においては、トランプ大統領のアメリカはその力を間違った方向に使い、世界を混乱の深みに追いやっているように見えます。あくまでも私見ですが、トランプ政権はあまりにも安易に世界最強の軍隊を直接に使い、戦争の当事者となることで、誰も解決できない状況を作り出しています。
この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ






