改正憲法で国務委員長の権限と地位が強化されたことも注目される。金正恩総書記が兼任する国務委員長を「最高領導者」から「国家元首」と定義し、国家的代表性を付与したことである。
憲法上の国家機関の配列順序も、国務委員長を最高人民会議より前に置くように変えた。最高人民会議の権限と機能のうち「国務委員長を召喚(解任)できる」という内容を削除し、国務委員長の権限への統制機能を弱めた。これまで最高人民会議常任委員長が担っていた外国大使の信任状授受権も、国務委員長の権限に移された。特に、国務委員長が核兵器使用のすべての権限を持ち、場合によって核武力指揮機構にこの権限を委任できるようにした。国務委員長の核使用権限が憲法に明記されたのは今回が初めてである。
また、憲法の前文に長く列挙されていた先代指導者の業績全体が削除された。これはここ2~3年、金日成主席の誕生日である「太陽節」や、金正日の誕生日である「光明星節」などの表現使用を控えている流れとも重なるとみられる。「金正恩主義」「人民大衆第一主義」など、金正恩総書記固有の統治理念が確立されたことに伴うものと分析される。金正恩総書記の権限や権威を高める憲法改正である。(宮塚コリア研究所 代表 宮塚利雄)
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