北朝鮮が統一政策を放棄。「金正恩体制」強化が進む憲法改正の衝撃

 

改正憲法で国務委員長の権限と地位が強化されたことも注目される。金正恩総書記が兼任する国務委員長を「最高領導者」から「国家元首」と定義し、国家的代表性を付与したことである。

憲法上の国家機関の配列順序も、国務委員長を最高人民会議より前に置くように変えた。最高人民会議の権限と機能のうち「国務委員長を召喚(解任)できる」という内容を削除し、国務委員長の権限への統制機能を弱めた。これまで最高人民会議常任委員長が担っていた外国大使の信任状授受権も、国務委員長の権限に移された。特に、国務委員長が核兵器使用のすべての権限を持ち、場合によって核武力指揮機構にこの権限を委任できるようにした。国務委員長の核使用権限が憲法に明記されたのは今回が初めてである。

また、憲法の前文に長く列挙されていた先代指導者の業績全体が削除された。これはここ2~3年、金日成主席の誕生日である「太陽節」や、金正日の誕生日である「光明星節」などの表現使用を控えている流れとも重なるとみられる。「金正恩主義」「人民大衆第一主義」など、金正恩総書記固有の統治理念が確立されたことに伴うものと分析される。金正恩総書記の権限や権威を高める憲法改正である。(宮塚コリア研究所 代表 宮塚利雄)

この記事の著者・宮塚利雄さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

宮塚利雄この著者の記事一覧

元山梨学院大学教授の宮塚利雄が、甲府に立ち上げた宮塚コリア研究所から送るメールマガジンです。北朝鮮情勢を中心にアジア全般を含めた情勢分析を独特の切り口で披露します。また朝鮮半島と日本の関わりや話題についてもゼミ、そして雑感もふくめ展開していきます。テレビなどのメディアでは決して話せないマル秘情報もお届けします。長年の研究対象である焼肉やパチンコだけではなく、ディープな在日朝鮮・韓国社会についての見識や朝鮮総連と民団のイロハなどについても語ります。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」 』

【著者】 宮塚利雄 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 5日・20日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 北朝鮮が統一政策を放棄。「金正恩体制」強化が進む憲法改正の衝撃
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け