日本人なら可能。超円安という“崖っぷち”状態な日本経済の大ピンチをチャンスに変える「奇跡」の起こし方の気になる中身

 

一番警戒しなくてはいけない「不連続な崖」の可能性

その場合ですが、仮にドル円で200円だとか230円だという話になっていった場合に、何が起こるのかというと、常識的には次のような現象がより顕著になるということです。

「輸出産業は潤う」

「日本発の多国籍企業が外国で稼いだ売上と利益を円に倒すと膨張する」

「従って、多国籍企業の株価は上がる」

「インバウンド観光客は、より安くなった日本の物価を満喫するようになる」

「反面、エネルギーと食糧、資材などは値上がりして物価高になる」

これが今でもかなり顕著となっているわけですが、こうした傾向がさらに激しくなっていくことは十分に考えられます。ですが、こうした変化はいつまでもリニア(直線的)に進んでいくのかというと、何もかもがそうではありません。ある時点で、「もう限界だ」という崖がやってくるのです。もうこの先には進めないし、一歩でも先に進んだら奈落の底へ落ちるしかない、そんな崖がある、そのように想定することができます。

と言いますか、そのような崖を意識してみてゆくことは必要だと考えるのです。色々あるとは思います。一番警戒しなくてはいけないのは、次のような「不連続な崖」の可能性です。

「日本の格差がある臨界点を超えていくと、急速に治安が悪化する」

「治安の悪化や排外感情の存在がバレてしまい、インバウンドが止まって観光業が壊滅する」

「国内資産の海外流出(キャピタル・フライト)が一気に加速する」

「そこで資産の海外持ち出し規制が強化され、より一層に途上国のような格差とコネによる社会不安が出てくる」

というような可能性です。ですが、私はこの種の暗黒の崖については、そこまで悲観的ではありません。なぜならば、この2つの問題、格差拡大と資産の流出については、「良性から悪性への臨界点」は「とっくに過ぎている」と見ているからです。

特殊詐欺からトクリュウへの悪化、NISAやGPIF(国家の年金基金)における海外投資などは、とっくの昔から加速しており、どちらもズルズルと進んでいます。それでも、治安に関しては何とか警察が踏ん張っている状態ですし、海外への資産流出も拡大しつつあるものの、雪崩にはなっていません。

どちらも日本の国民性と言いますか、懐の深さや人と社会の基礎体力のようなところで「既に悪化の臨界点を過ぎながらも、とにかく持ちこたえている」という状態だと考えられます。この先、これが一気に崩壊するような崖というのは、当面は想定する必要を感じません。

というわけで、今回はもっと別の崖、2つの崖について考えてみたいと思います。1つはエネルギー、もう1つはデジタル赤字の問題ですが、その前に簡単に「不動産の崖」について考えてみましょう。

大都市、特に東京23区内には巨大な国際マネーが不動産買いを繰り広げてきました。こちらは、円安になればなるほど割安感が拡大して、投資が激増してくるというサイクルがありました。ですが、円安のデメリットである建設資材の高騰、これにイラン情勢が乗っかり、さらに人手不足がコストをプッシュするという中では、これ以上の開発については限界に来ています。

これに、どう考えても賃貸ビジネスとしてはリターンが取れないレベルまで、タワマンが買い上げられたということを加えますと、既に崖は通り過ぎていると判断できます。この先は、国際不動産市場の崩壊に伴って、日本の不動産市場も崩壊する可能性が濃厚で、日本の業界としては、できれば発火点にだけは「ならない」ように留意しながら、スマートな資金の逃避を計画する段階となっていると思います。

不動産については、そんなわけで、これ以上円安になっても開発は進まない中で、新規開発に関しては行くも戻るも地獄の停滞状態に陥っています。崖という名の不連続な変化ということでは、既にその臨界点を過ぎたところだと言えるでしょう。

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