【大炎上】鳩山クリミア訪問に同行したジャーナリストが明かす、現地の実情

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あるいは、東洋経済オンライン3月14日付で中村繁夫は「鳩山由紀夫元首相は、宇宙人か馬鹿か天才か」と題した論評を掲げ、次のように言っている。

▼どのニュースでも、コメンテーターが鳩山氏の行動を一斉に非難している。だが、大の大人が、一見軽率にみえる行動を、鬼の首をとったかのような表現で責め立てるのは何とも大人げない気がする。……今回のクリミア訪問は決して思い付きではないと思う。あえて言えば、「確信犯」である可能性が高い。ロシア側の意見や見方が、日本のマスコミには伝わらないから、日本人が信じている「一方的な情報」にあえて「一石を投じた」という見方もできなくはないのだ。

▼由紀夫氏はおおまかにいって、(1) クリミア半島が元々はロシア固有の領土であること、(2) クリミアに住む国民が選挙で圧倒的多数でロシアに帰属させるべきだと投票をした事実を評価、(3) ロシアとウクライナは兄弟のような関係だから、他国の干渉を受けず、双方で平和的な解決を模索するべきだ、との意見を述べている。……筆者に言わせれば、必ずしも大きく外れたことは言ってはおらず、理路整然とした意見を言っているように見える。

▼ロシア=ウクライナ問題のような重要案件については、マスコミたるもの「きちんと掘り下げて、表面的ではなくフェアな立場で事実を報道すべきだ」ということだ。そもそも、ウクライナ問題を語れる評論家は少ない。現場の一次情報はほとんど日本に入ってきていない。主に「欧米のフィルター」がかかったニュースが、お茶の間に報道されているのである。それゆえ、あたかも欧米のニュースが国際世論であるかのように見える。だが注意深く観察すると、実際には米国の息のかかった偏った一方的意見であるとの見方もある。

▼なぜなら、NATO加盟国以外の世論は、といえば、実は中立の立場でウクライナ問題を扱っているからだ。米国の「内政干渉」によるウクライナの混乱に対して、NATO加盟国以外の世界の世論は、中立の立場である。中立の立場とは「米国の意見も聞くし、ロシアの意見も聞く」という、子供でもわかる理屈である。今批判されている由紀夫氏の考え方は「ロシアの意見も聞く」という当たり前の意見を言っているにすぎない。

▼「クリミアはロシア固有の領土であり、北方領土は日本固有の領土である」。由紀夫氏がクリミアに対して表明した正論は、実は北方領土問題にそのままあてはまるロジックであることを、日本国民の大半は気づいていない……。

的を射た発言である。中村はレアメタルのビジネスで知られた人物でロシアとも関わりが深いだけに、この狂騒事態の核心を的確に捉えている。15日の「サンデー・モーニング」を観ると、大宅映子や寺島実郎がまさに中村が言う「大人げないコメンテーター」を演じていて深く失望する。

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