先日掲載の記事「誰が決めた? なぜ関東と関西では『雨』のアクセントが違うのか」で、日本語のアクセント問題について実例を上げつつ解説した無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』の著者・須田將昭さん。今回はそのアクセント問題を考えるきっかけとなった無料通話アプリ「LINE」の発音について考察しています。
LINEのアクセントは?
「誰が決めた? なぜ関東と関西では「雨」のアクセントが違うのか」などでアクセントについてのおおまかな説明を重ねてきました。もともとの本題が何だったか忘れるぐらいですが、本来はSNSの一つ「LINE」のアクセントは? という疑問でした。
私は最初は「低高高」となる平板型での発音をイメージしました。ところがその疑問を呈した人の発言の発端は、東京方面で周りの人が、最初の「ラ」を高く発音していた、ということからでした。
アクセントは特定の集団の中での社会的慣習、約束ごとですから、関東と関西で違っても別におかしくはないのですが、新しいサービスの名称ですから、今の時代ならほぼ一つで固まるはず。それが分かれているのはなかなか面白い現象です。
ということで調べはじめたのですが、結論からいうと、会社としては最初の「ラ」が高い「高低低」が正しい発音として認識されているようです。
LINE社は、2016年7月15日に東証一部に上場したのですが、その時に代表取締役社長の出澤氏にインタビューしている動画を見ることができました。その動画の中で、出澤社長は確実に最初のラが高い頭高型という形式で発音されていました。
しかし、一般には平板型が多いように感じます。
これは先日ご紹介した「アクセントの平板化」の現象そのものと言えるかと思います。
一つは新しいサービスを使っている人たちの意識としては、平板化が普通になっているということと、SNSという新しいサービスではなく、これまでの「線」という意味での「ライン」とは違うもの、という意識の両方で平板型で話している、ということは容易に予想がつきます。