TPP「秘密」合意の全容判明…新聞報道から各紙のホンネを読み解く

 

国内への影響は限定的?…【毎日新聞】

【毎日】は唯一、関税撤廃のニュースを1面に持ってきている。見出しは「重要5項目3割関税撤廃」「TPP 国産品と競合少なく」。

基本的な情報に加えて、「撤廃されるのは、牛タンなどの内臓肉や加工品が中心で、国産品と競合しているものはほとんどなく、国内への影響は限定的とみられる」とする。だが、「ほかの品目は原則的に関税撤廃とされるTPPの方針に沿ってほとんどの関税が撤廃」され、「生産者などから不安の声が上がっていた」とし、そのために「全品目の交渉内容について精査を急いできた」という。そのことが今回の発表につながったという理解のようだ。11月には国内対策をまとめ、「生産者らの理解を得たい方針だ」という。

5面には、野党が臨時国会開催を要求し、TPP交渉の追及を目指すという政局記事。6面には全中の奥野会長が、TPPの影響を独自に検証し、対策提言を来月末までに出すと語ったことについての記事。

uttiiの眼 ホンネでは賛成

《毎日》のTPPに対する基本姿勢も、ホンネでは賛成ということなので、そうした方向性があちこちに表れる。

重要5項目」がどうなるかは、与党が公約を果たしたのかどうかの評価に係わる、政治的に非常に重要なことなので、慎重な検討が必要なはずだ。《毎日》は思い切りよく、「国産品と競合しているものはほとんどなく、国内への影響は限定的とみられる」としてしまっているが、大丈夫だろうか。どんな根拠があるのか、ハッキリ示してもらう必要があるだろう。おそらくは農水官僚が口にしたことなのだろうが、一種の発表報道になっていないだろうか。

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