柳川由紀さんからの家庭教育アドバイス
虐待してしまうのは、子どもがまだ自分でしっかりと考えることができない小さい時期が多いものです。その頃の子どもは、行動パターンが想定できずとんでもないことをしてしまうということもあります。その結果、その行動に怒りがたまり、手をあげ虐待へと発展するのが一般的なケースです。
まずは不用意なものを子どもの手に届くところに置かないことです。そうすれば、子どもがとんでもないことをしでかすのを、ある程度防ぐことができます。
また、何度言っても言うことをきかないから、という理由で暴言を吐いたり、嫌みを言ったりする親もいますが、そうした言葉は「きれいな虐待」と呼ばれています。
知らず知らずに子どもを追い詰め、やがて子どもの心の中に、「自分は親から愛されていない」「自分はだめな人間だ」という気持ちを芽生えさせてしまいます。子どもへの指示や命令は極力避け、言葉のかけ方を変えましょう。
・さっさとしなさい→急ごう
・片付けなさい→綺麗にしよう
・うんざりなのよ、いいかげんにして→ママ、疲れちゃった
・邪魔なの、あっちへ行って→ママ、一人になりたいな
・言うこと聞きなさい→ママの言うこと難しい?
など、思ったことをすぐに口にするのではなく、一旦「翻訳」してから伝えましょう。
そうすれば一旦考える、と言う「時間」が、子どもに対するイライラを抑える要因になります。
母親は自分で何でも1人で抱え込みがちです。そのため精神的に追い詰められてしまうのです。そんな時は、信頼できる家族や友人、場合によってはそうした専門の機関に相談しましょう。自分の気持ちを吐き出すことで少しは心が楽になります。
一方で、虐待を目撃した場合は、加害者を批判する言動はせず、まずは冷静に「大変そうですね」と共感し、そのあとで「何か手伝いますよ」「力になれることがありますか?」などと申し出ましょう。
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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
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