巌流島に行かず武蔵を作り吉良邸から泉岳寺を歩かず忠臣蔵を語る三流

 

わからなければ現地に行ってみる。これは、あらゆる制作の基本です。

脚本を書くためにその場所に取材に行ってみることをシナハン(シナリオ・ハンティング)と言うそうです。歴史物になると、その場所に行っても、そんな史跡も残っていない場合が多いのですが、行ってみることが大事なのです。

例えば、忠臣蔵の作品が好きという人は、赤穂浪士が仇討ちを果たした吉良邸(墨田区)や赤穂浪士が眠っている泉岳寺(品川区)など、ピンポイントで訪問します。

でも、本当の忠臣蔵のファンは、この吉良邸から泉岳寺を実際に歩いてみるんですね。けっこうな距離があるのになぜ歩くかというと、赤穂浪士も実際にそれだけ歩いているからです。そうすれば、今はその面影はありませんが、隅田川のどの橋を渡ったのかといったイメージが湧いてきて、実際に渡った永代橋という橋の近くには、赤穂浪士休息の碑があったりするんですね。

吉良邸から泉岳寺に行くには、どう考えても両国橋などを渡るほうが効率的なのですが、なぜ永代橋へ遠回りして行ったのかというと、両国橋を渡った先は江戸城に近く武家屋敷街なので、衝突を恐れて下町を行ったんだな、というようなことがわかってくるわけです。

歴史だけに限りません。例えば、経営再建を果たした話などを読んだ時に、「なるほど、こうやって再建したのね」ということを文字や映像の情報で取り入れるのと、実際にその現場に実際に行ってみるのとでは、受け取り方が全く変わってきます。行ってみることで、理解が深まったり、さらなる疑問が湧いてきたりするのです。

行ってみれば新たな発見が多くある。

逆に言えば、勉強する人や創作をする人には「現地に行かない」という選択肢は、完全に三流以下の発想ということになります。

とにかく、行ってみればいいのです。まず行くという行動力を持って初めて、発想豊かな経営者クリエイターになれると言えます。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

・自分の仕事でアイデアが必要なこと、自分の生活で新たに始めたいと思っている趣味や勉強などを、ノートに全て列挙していく。
・それらのヒントとなる場所はどこなのか、国内外問わず連想する場所を併記する。
・そこに早めに実際に行ってみる予定を立てる。

image by: MAG2 NEWS

 

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