いよいよ山開き。世界遺産・富士山を知り尽くした男のフォトレポート

347h
 

7月1日に山開きを迎える富士山。「今年こそは日本のいちばん高い場所へ」と考えている方、無料メルマガ『私の出合った日本百名山』の著者で「日本百名山他の山々 450山」という電子書籍も出版されているKap塩谷さんの「2014年富士登山レポート」が参考になりますよ。

梅雨の晴れ間に樹林・展望・雪を楽しんだ 富士山

私は毎年1度、富士山に登っている。今年はまだ登ったことがなかった須走口から登ることにした。

静岡に住んでいるので、富士宮口なら家から1時間で着くが、須走口は2時間かかる。また富士宮口は登山口の標高が高く最短時間で登ることができる。それで多くは富士宮口から登っている。

7月6日(日)は天気予報通りの良い天気だった。5時過ぎ、出発した。

天気が良くても非常用に、雨具、着替え、ポケッタブルダウンジャケット、軽アイゼン、ヘッドランプ等をザックに詰めて。水分はスポーツ飲料500mlを3本持つ。

今日は天気が良く、山頂まではっきり見える。登山口にある山荘「菊屋」はもう開いている。

須走口の登山口

須走口の登山口

その山荘から少し行った所にはタカネバラが咲いていた。山荘の方が3日前に咲き始めたと言っていたが、前日の雨に当たりしおれかけている。

タカネバラがちょうど開花

タカネバラがちょうど開花

石畳の上を進んで行くと古御岳神社がある。小さなおもちゃのような感じの外見である。鍵がかかっているので中は見えないが…。

樹林の中を進んで行く。4つある登山コースの中で、この須走コースの良い所は樹林帯の中を歩けることである。

樹林帯を歩いて行く

樹林帯を歩いて行く

直射日光が当たらないので暑くない。また、自然の植生などを観察することができる。

20分ほど歩くと、下山ルート分岐に着いた。まだ傾斜の緩やかで全く疲れていないのでそのまま進む。

樹林から少し抜け出し覗くと山頂方向が見える。眼下には山中湖が見える。

眼下に山中湖などが見えてくる

眼下に山中湖などが見えてくる

湖面から蒸発したのか、その上には湖の形に雲が出ている。

まだダケカンバなどの背の低い樹林は続く。日が当たる草むらには白いかわいい花のシロバナノヘビイチゴが咲いている。

6時近くなり、かなり森林限界に近づいてきた。そして山道の所々には固まった雪が少し残っている

6時過ぎ、新6合目「長田山荘」(標高2,450m)に着いた。ここまで来ると結構雪がある。上の方まで雪は続いている。

雪が現れるが登山道にはあまりない

雪が現れるが登山道にはあまりない

ようやく森林限界を完全に超えた。

木々に遮られない山を歩くのは気持ちがいい。南アルプスなどの尾根歩きもそうであるが…。

山頂方向や眼下・周りの山々を眺めながら歩く。

目の前に鈴がたくさん奉納してある小さな鳥居と石碑が見えてきた。石碑は割れてはいるがよく見ると「二十六夜」と読める。あの山梨百名山の「二十六夜山(メルマガNo.422)」と同じく、二十六夜月待ちの信仰で、旧正月と7月の二十六夜の夜半、月を待って拝むと幸運を得ると言われたことにちなむものだろう。

これは富士山の他の登山コースでは見かけたことがない。かつてはたくさんの仏教などの宗教的な遺物が点在したであろうが、今はほとんどない。

>>次ページ 4~5人に1人は高山病に。筆者は大丈夫なのか?

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