松下幸之助と本田宗一郎は、なぜ「従業員のトイレ」にこだわったのか

 

3Sの実践は、ただちに利益のアップを実現させかつ社員の心を整え成長させる大切な経営の基本です。あの「カイゼン」の権化であるトヨタの立役者である大野耐一郎さんが、最初に堅固な意思で取り組んだのがこの「3S」です。3Sが出来ないのに「戦略計画」なんて「たわ言」でしかありません。

また松下幸之助さんにもどりますが、松下さんが「人をいかにつくるか」に日々思索を凝らしていたある日、思わぬ機会に巡り合いました。それは昭和7年3月のことで、天理教を訪れ教祖殿の建築や製材所で働く信者たちの喜びに満ちた奉仕の姿に胸を打たれたことが切っ掛けです。感銘を受け見たことを思い起こして、ついに経営のあり方に思い至りました。

「宗教は悩んでいる人々を救い、安心を与え、人生に幸福をもたらす聖なる事業である。事業経営も人間生活に必要な物資を生産する聖なる事業ではないか」と悟ったとき、真の使命による経営の確信が生れました。

昭和7年5月5日、大阪の中央電気倶楽部に全店員168名を招集して「真使命」の250年計画を提示されました。

松下幸之助さんは「経営者としての大きな任務の1つは、社員に夢を持たせるというか目標を示すことであり、それができないのであれば経営者として失格である」と言われています。本田宗一郎さんは、新入社員研修会で「君たちは、企業の犠牲になるな。自分の生活をエンジョイするために働きに来るべきだ」と言っています。

image by: Shutterstock

 

戦略経営の「よもやま話」
著者/浅井良一
戦略経営のためには、各業務部門のシステム化が必要です。またその各部門のシステムを、ミッションの実現のために有機的に結合させていかなければなりません。それと同時に正しい戦略経営の知識と知恵を身につけなければなりません。ここでは、よもやま話として基本的なマネジメントの話も併せて紹介します。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • 松下幸之助と本田宗一郎は、なぜ「従業員のトイレ」にこだわったのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け