セレクトショップはどうなる
百貨店が淘汰され、百貨店が得意としてきた高級品市場の穴を埋めるのは、セレクトショップだと思う。逆にいえば百貨店は、伊勢丹新宿本店を除いて、「ファッション大店」にはなれなかったのだ。
セレクトショップは、商品の選択眼、品揃えの面白さ、丁寧で専門的な接客によって、高級品市場の一翼を担っており、その役割は今後も変わらないだろう。
ファッション以外にも、百貨店の特選売場やギャラリーで扱っていたような、工芸品や作家ものを扱うようになるだろう。次第にファッションの領域を広げ、「小さな高級百貨店」を実現するのではないか。
海外には、尖ったファッション商品だけを集めるセレクトショップが多いが、日本のセレクトショップは日本百貨店の伝統を受け継いでおり、保守的な富裕層も吸収していくと思う。
セレクトショップは、店舗数と売上をコントロールし、必要以上に拡大してはならない。むしろ、百年続く高級品業態を目指してほしいと思う。