【巨額利権】築地移転「延期」は、どこまで既定路線だったのか?

 

築地市場の移転は、東京オリンピックと密接にからんでいる。晴海の選手村と新国立競技場を結ぶ五輪のメイン道路「環状2号線」が築地の移転跡地を通って、建設されることになっているからだ。

まずは跡地に仮設道路をつくって今年末をめどにとりあえず全線(有明~神田佐久間町)開通させ、その後、地下トンネル建設を進めてオリンピック前に完成させる予定だ。

そして、完全な開通をオリンピックに間に合わせるには11月7日のオープンがタイムリミットだと、いわば脅されてきたのである。

環状2号線、築地、豊洲市場といえば、内田茂がらみの複数の企業が工事を受注している。ドンにとって、いわばおいしい利権の巣である。

週刊文春9月1日号によると、環状2号線の仮設道路整備工事を受注している中堅ゼネコン、ナカノフドー建設(千代田区)の大島名誉会長は2012年から3年間、内田が代表者になっている自民党東京都千代田総支部に12万円ずつ献金している。

地下トンネルの仕上げを受注している鹿島道路は、1992年、内田の長女の結婚式に当時の専務や東京支店営業部長が出席するなど、古くからの付き合いがあるという。

また、環状2号線の地下トンネル設備工事や、豊洲新市場のスプリンクラー工事を受注している防災設備メーカー、能美防災(千代田区)は、内田が代表の自民党東京都千代田区第二支部に2012年、14年の2回にわたり、計21万円を献金している。

こうした内田茂の利権に切り込もうという改革スピリットが小池にあるとはどうしても思えない。「延期を決めたことがこの問題に関する彼女のゴールであって、あとは全てプロジェクトチームの判断を尊重するという体裁で、豊洲への移転を進めていくつもりだろう。

築地移転に関する小池知事のこれまでの発言を思い返してみたい。

今いろいろと情報をさらに収集をいたしております。情報が入り乱れている部分もございますので、そこを精査した上で総合的に判断したいと思います。

精査する」「総合的に判断する」。小池知事はこれらの言葉を繰り返すが、政治家の「精査」「総合的に」はたいていの場合「逃げ口上ごまかしに使われる

甘利明は口利き金銭授受疑惑について「精査してから、きちんと申し上げる」と述べたが、いまだに精査した結果どうなったかについて、説明責任を果たしていない。

安倍首相は集団的自衛権の行使ができる「存立危機事態」とはどんな事態を指すのかについて「政府が総合的に判断する」としか語っていない。時の政権の意思しだいで戦争ができるという真実を覆い隠すための言葉づかいとしか思えない。

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