第2のリーマン・ショックも間近か。欧州金融危機で日本が被る大打撃

 

欧州の継続する金融危機

欧州は、なぜ、ギリシャ危機から危機が続いているかというと、景気対策として、財政出動ができない。対GDP比3%以内の財政赤字しか認めないために、財政出動ができないので、一度、景気が悪くなると、通貨調整機能もなく、景気回復が絶望的になり、若者は職を得るためにドイツなどに移民する必要が出てくることになる。

英国はホンドを維持したので、通貨調節機構が働き、EU離脱選挙後、それ以前より景気が良くなっている。ホンドの大幅下落でそうなっている。

EU圏では、ドイツが支配するECBが金利を決めるので、金融政策を自国の事情では変更できない。このため、マイナス金利などというユーロ安にする政策を継続することになる。輸出には有利であるが、輸入には不利である。また、弱い国に対する補助金がないので、この差を埋めることもできない。日本国内を見ると、地方交付税があり、地方の基礎的な環境を維持できているが、これがない。

このような環境であり、EUは脆弱な連合になり、弱小国の経済が回復しないで、度々、金融危機になるのである。反対に、ドイツはバブル状況になる。

このような脆弱な連合で、ECBドラギ総裁はマイナス金利を深掘りして、金融機関を痛めつけて、特にドイツ銀行の立て直しをできなくしているようである。

なぜ、欧州は危機にならなかったのか

危機が継続する環境であったが、危機がなぜ、起きていないのかというと、1つがドイツが危機になると、ギリシャ危機のように追加的に資金を入れていた。2つには、移民を入れて需要を高めていた。3つにマイナス金利でユーロ安にして、貿易量を拡大した。

しかし、この条件が変化する。1については、ドイツが先に金融危機になる。2については、テロ多発で移民を入れなくなったことで、需要拡大はなくなる。3については、マイナス金利の負の面が出て、銀行倒産が起きる。それと銀行倒産時の安全性を担保できる英シティがEUではなくなる

print
いま読まれてます

  • 第2のリーマン・ショックも間近か。欧州金融危機で日本が被る大打撃
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け