トランプ新政権の国務長官から見えた、日本が中国に売られる日

 

同じように、米国が去ることにより、ロシア利権となった中東の後ろには中国がいるかもしれませんし、中国製品に高い関税を課すと話すトランプ政権は、一方で日本を含む東アジアの利権を、ロシア経由で中国に高値で渡す算段をしているかもしれません。これが、国際政治です。

中国は、米国に労働力を戻すかわりに、中東と東アジアの市場を手にいれる。

ロシアは、イスラエルと結託して、イランを封じ込めることを約束し、中東覇権を手にいれ、世界のエネルギーをコントロールする力を得る。

巨大石油企業のトップというビジネスマンを国務長官に指名したということは、採算が悪い地域はクローズし、できれば、居抜きで他社に高額に買ってもらうようなことは常套手段で、いままでのルール、例えば世界情勢の安定などを無視する可能性が高まります。

なにしろ米国は、もう世界の警察であることを降りる、とハッキリ名言しているからです。

米国がロシアと近しくなる可能性は高まるのでしょうが、表面的に仲違いするそぶりを見せる米中関係は、実は水面下で双方納得するディールを結んでいる可能性もあります。

片手で殴り合うポーズをとりながら、もう片手ではガッチリと握手を交わす。これが、世界ビジネスです。

あたらしく国務長官になるレックス・ティラーソンの動きに、注意を払う必要があります。それは、その先に世界の大きな曲がり角が潜んでいるからです。

 

takashiro 『高城未来研究所「Future Report」』
著者:高城 剛
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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