まとめ
マニアを中心にした顧客ターゲットでは先細りが避けられないことを見越して、新たな顧客ターゲットを取り込んだと推察されますが、自社の強みが活きる顧客ターゲットを選択し、フルラインで商品を揃える競合との違いを明確にする戦略をとることで、自分たちのポジションを確立することに成功しているといえます。
スバルは大手と戦うために、顧客ターゲットを絞って、その絞った戦場でNo.1を目指しています。もちろん勝算があるからこそ、現場からの反対を押し切って、売り場展開を変えるなど振り切った行動がとれているといえます。また、リソースも限られており、大手のように全ての顧客のニーズに応えることはできませんので、一点に集中し、その一点で勝つというのは、理にかなった戦略をとっているといえます。
課題は独自の技術であるアイサイトに他社が追いついてきていることです。売り物の差が無くなってきますと、スバル車の独自性が薄れることに繋がることが懸念されます。今後は新しい技術開発ももちろん重要ですが、アウトドア好きなファミリー向けブランドとしての地位をしっかりと確立することが重要です。そのために、他社が真似しにくい顧客ターゲットを絞った売り場展開の徹底やアウトドアブランドとの連携などもおもしろそうです。
分析のポイント
戦略の変更に合わせて戦術も変化しているか? スバルは顧客ターゲットを変更しましたが、それに合わせて戦術も変化させていることが、当たり前のようですごいことです。
多くの企業では、戦略を変えても、現場はそのままということがよくあります。つまり、戦略が絵に描いた餅となってしまうのです。スバルではそうならないために、社長が売り場展開など、どんどん試行錯誤するよう若手を鼓舞しているようです。戦略をいかにして実行させるかは企業経営のカギのひとつといえますが、スバルはそれを実践しているといえるでしょう。
image by: SUBARU OFFICIAL WEBSITE
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