2.相手の子、相手の親には言わないでください
二点目、よく伺う言葉が、「相手の子には言わないでください」、「相手の親には言わないでください」というものです。講演の中でも、何度も繰り返し話していることですが、「いじめには加害者がいる」「加害者のいないいじめはありえない」これは、当たり前のことなのです。ですから、「相手に言わないで」ということは、「何もしなくて良い」と言っているのと同じと受け止められてしまうのです。実際、「ご家族からの要望で加害者から聞き取りはしていません」と言われてしまった事例もあります。
もしくは、「学活や道徳の時間にいじめについて話して欲しい」という意味もあるでしょうが、これは大変、危険です。全体指導は、「おまえ、チクったろう」と報復、リンチ事件に発展することがあるのです。加害者たちを個別に指導したり、叱ったりすることを飛ばして全体指導だけ行うと、いじめが止まらないことの方が多いのです。したがって、しっかりと「加害生徒を叱ってください」と言うことを忘れないでください。
夏休み明けには、例年、いじめによる自殺事件が起きる傾向が明らかになっていますので、いじめは夏休み前に、解決しておく必要があります。いじめの可能性がありましたら、前述したことを念頭に、早めに担任にご相談ください。
私たちもいじめ相談を承っています。気になることがありましたら、ご遠慮無くご相談ください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
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