ややこしい年金のカラ期間。こんな場合、妻の年金額はどうなる?

 

1.昭和14年2月25日生まれの男性(今は79歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

20歳になる昭和34年2月から昭和36年3月までの26ヶ月は昼間の4年制大学。この昼間学生の期間は本来なら国民年金の任意加入(平成3年3月までの場合)となり、任意加入しなければカラ期間となるが国民年金制度が始まったのが昭和36年4月1日以降(ここから20歳以上60歳未満の人は国民年金に強制加入となった)だから任意加入もないしカラ期間にもならない。昭和36(1961)年4月から昭和57(1982)年9月までの258ヶ月は厚生年金加入。この人はまだ60歳(平成11年2月)には到達していない。昭和57年10月からは国民年金に強制加入となるのか。

実はこの人の場合は昭和57年10月からは国民年金には強制加入しない。何でかというと、昭和61年3月31日までの旧法と呼ばれる年金時代は、厚生年金に20年(240ヶ月)以上あれば厚生年金(当時は老齢厚生年金ではなく老齢年金と呼んでいた)を貰う事ができた。だから、もう厚生年金貰う権利持ってんだから、「国民年金に強制加入させなくても厚生年金からどうせ年金出るんだから国民年金には任意加入にしよう! 任意加入しなければカラ期間にしよう!」ってなりました。

昭和61年3月31日までの年金制度っていうのは、国民年金、厚生年金、共済年金と完全に別々の制度だったんですよ。ところが昭和61年4月からは厚生年金や共済年金期間も同時に国民年金に加入という事にして、つまりどんな職業であろうが国民年金に加入ってことにして、年金加入期間に比例して年金額も異なる老齢基礎年金を支給し、その上に給料に比例して年金額も異なる(報酬比例部分という)厚生年金や共済年金を乗っける形にしたんです。

この昭和61年4月から今の年金の形である、厚生年金からは老齢厚生年金、共済年金からは退職共済年金(平成27年10月以降に貰う権利を獲得した人は老齢厚生年金の名称)、国民年金からは老齢基礎年金というのができたわけです。昭和61年4月からの年金改正が今の年金制度の基盤となっています。

今までも何度も言ってきた事ではありますが、サラリーマンや公務員は厚生年金や共済年金に加入してて国民年金には加入していないというわけではなく国民年金にも同時に加入してるんですね。

で、昭和61年4月からそんな感じになったから、この男性はまた国民年金に強制加入となり、「過去の厚生年金期間も国民年金の被保険者だったとみなして」、厚生年金からは老齢厚生年金を支給して国民年金からは老齢基礎年金を支給する形になりました。

よってこの男性は昭和57年10月から昭和61年3月までの42ヶ月の期間に関しては国民年金に任意加入しなければカラ期間となり、昭和61年4月から60歳の前月(平成11年1月)までの154ヶ月は国民年金に強制加入期間となります。

保険料を納めなければ未納期間になる。もう納めずに未納にした。

さて…昭和57年10月から昭和61年3月までは国民年金には任意加入しなくて国民年金保険料を納めなかったんですが、ここはカラ期間になりましたよね。たまたまこの男性の年金記録は厚生年金期間258ヶ月とカラ期間42ヶ月合わせると300ヶ月(25年)になってしまいましたが、この男性の生年月日なら仮にカラ期間42ヶ月無くても厚生年金期間が20年以上(240ヶ月以上)あるから年金貰える人。

今日の話は昭和61年3月までのサラリーマンの専業主婦だった期間はカラ期間になるって話なんですが、じゃあ昭和57年10月から昭和61年3月までは夫はサラリーマンでも公務員でもなかったけど専業主婦の妻の期間には何か影響するのか。影響してくるんですねこれが(笑)。

print
いま読まれてます

  • ややこしい年金のカラ期間。こんな場合、妻の年金額はどうなる?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け