革新的な発明ができる起業家、できない起業家。その差は何か?

 

ソニーがテープレコーダーを開発したとき、そのテープづくりから行ったのですが、最初は幅8ミリの紙に飯粒を糊として乳鉢ですり潰したマグネット粉を貼り付けるといったことから始めています。多くの画期的な発明は、何度も何度の失敗を重ねた忍耐強い試行錯誤の末に“ヒラメキ”を得て革新的な製品づくりに至っています

日清食品のチキンラーメンは、何度試作品をつくってもうまく行かなかったのが、ある日、安藤百福さんが奥さんが天ぷらを揚げているのを見て、そこで“ヒラメキ”を得て商品化にこぎつけました。

多くの中小企業の経営者の方に会って感じられることなのですが、「マネジメント」の基本機能である「マーケティングイノベーションが理解されずかつなされていないことをつくづく痛感させられます。最も心配になるのは多くの後継者の方で、より多くの思い違いがあって気が付けば「剣ヶ峰」の刃先であるということになります。

企業がいつも対象にしなければならないのは外部つまり“顧客社会”であって、なぜなら企業に「対価」「利益」をもたらしてくれるのは“顧客”と“社会”であるからです。そして、その“顧客”と“社会”が求めているものは“満足感動”で、その企業が生産する効用(商品・サービス・コト)」をもとにします。

ところが、恵まれた(実際は恵まれない)環境にある、努力なく経営者になった方や成功した方は、往々にしてそこに知恵を至らせないのです。今日の安泰や成功の「いわれ」や「構造」を理解されないのです。またさらに皮肉なのはたまたまの「幸運」でも、提供している「貢献効用余韻”がある限りにおいて、その“錯覚が強化されるのです。

いつも思い知らされるのは“余韻がなくなった後で、そこで出てくるつぶやきが「今までうまくいっていたのになぜでこうなるのだ。何かがおかしい」なのです。ダイソーの創業者の矢野博丈さんは、これを「恵まれる不幸せ」と表現しています。

成功の方程式というのは、その“原則”はいつも同じで「顧客に今現在私たちが最も最適・最高の“満足”“感動”を与えているかどうか」です。

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