カシオ、売上半減の大ショック。何が名門企業を追い込んだのか?

 

「Gショック依存」というリスク

デジカメ事業以外も予断を許さない。売上高の半分以上を占める腕時計事業は伸び悩みが懸念される。同事業の18年3月期売上高は前期から微増の1,703億円にとどまった。

腕時計事業の柱となるGショックは「落としても壊れない丈夫な時計とたった1行しかない企画書から生まれたことで知られる。開発担当者は社屋の上階の窓からサンプルの時計を落下させるなどの実験を繰り返した。そしてついに「心臓部であるモジュールを点で支える」という現在も使われる耐衝撃構造のアイデアを思いつき、落としても壊れない時計、Gショックを開発することに成功した。

初代Gショックが発売されたのは83年。まず米国で人気に火がついた。アイスホッケーの選手がパックの代わりにGショックを打っても動作し続けるというテレビCMを84年に放送した。そのCMに対し「誇大広告ではないか」という意見が寄せられたため、人気テレビ番組がCMと同じようにしてどうなるかを検証したところ、GショックはCM同様に動作し続けることが確認された。そのことが広く知られるようになり米国で一気に人気が高まった。

90年代に入ると日本の雑誌が米国のファッションを紹介するようになった。それにより「Gショックが米国で人気がある」ということが日本で広まり、日本でもGショックの人気が高まっていった。また、有名人が身につけたことで人気が一気に高まり、Gショックブームが沸き起こった。90年の日本での年間出荷数はわずか1万個に過ぎなかったが、97年には240万個にまで増えた。世界では同年に600万個を出荷している。17年8月には累計出荷1億個を突破し、今も販売は好調だ。

腕時計事業はGショックがけん引して成長してきたが、一方でGショックに頼る面が大きく依存リスクが大きい。電波ソーラー式腕時計のブランド「オシアナス」など幅広い品ぞろえを目指しているが、Gショック以外で収益の柱と言えるほどに育っているものは見当たらない状況だ。Gショックの今後の伸びも懸念される。

カシオは腕時計事業の規模を21年3月期に18年3月期の倍にする目標を掲げているが目標達成は予断を許さない。達成に向けてGショックのラインナップを広げるほか、海外のネット通販を強化することを表明しているが、目新しさはなく力強さにも欠ける。また、海外向けの廉価版腕時計が「チープカシオ」として若者を中心に15~16年ごろにブームとなって業績を押し上げたが、それも最近は下火になっている。

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