【書評】国中で独裁者・習近平のご機嫌をとり続けるおかしな国

 

習近平政権の本質

2012年11月、習近平体制がはじまりました。それで、何が変わったのでしょうか?幸せな80年代、90年代生まれの中国人が体験したことのない大きな変化が生じた。

安田:彼らが過去に見たことがない、自由が徐々に減っていく中国という新しい世界の出現です。
(p156)

具体的には、何が変わったのでしょうか。

  • 国有企業が強くなった
  • クリスマスが祝えなくなった
  • ネット規制が強まった
  • 中国メディアが「大本営発表」になった(石平さん曰く、「毛沢東時代以上の統制」)
  • 言論統制が強まり、本がつまらなくなった
  • 憲法が改定され、習近平が死ぬまで国家主席でいることが可能になった
  • 「どんな研究も『習近平思想から始まる』といわれる
  • 習近平思想の本質は、「習近平に怒られないように振る舞いなさい」である

要するに、習近平は、毛沢東時代に逆戻りしているということなのですね。ホント、わけがわかりません。

毛沢東は、確かに国共内戦に勝利して、中華人民共和国を建国しました。しかし、その後は「大躍進政策」「文化大革命」で何千万もの人を殺した。そして、1950~80年まで、中国経済はまったく成長しなかった。そんな男を「モデリング」しているのですから、愚かです。

しかも、石平さんも安田さんも、習近平は毛沢東よりもさらに悪いという結論です。なぜ?毛沢東には、周恩来やトウ小平のような優秀な部下がいました。しかし、習近平には、そんな部下がいない

習近平は本人の能力値も70点ぐらいなのに、自分よりも能力値が高い人間を使いたがらない。

 

(中略)

 

能力値40~50ぐらいの「クソ武将」ばかりがゴロゴロいる。
(p180)

さて、こんなハチャメチャな習近平体制は、どこにむかうのでしょうか?中国のことを知り尽くした石平さんと安田さんの結論は?非常に面白い本で、RPE読者さん好みだろうと思います。是非ご一読ください!

image by: Patricio-Murphy / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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