「ニュースステーション」で私がお天気おねえさんをやっていた時、耳にタコができるほど毎度毎度言われのは、見てる人が次の日、会社に行って「昨日、ニュースステーションで〇〇っていってたよ」ということを伝えろ!でした。そして、「テレビは映像。“さま”を見せろ!」と。
日航機の事故があったとき、久米さんはスタジオに亡くなった方たちの人数分の靴を並べて、事故の“さま”を伝えました。
私も福岡で1時間100ミリのゲリラ豪雨が降ったときには、つくばの気象研究所に行き、中継で「久米さ~ん、今から100ミリの雨を降らせてらもいま~す」と人工的に雨を降らせてもらいました。
あのときの経験が、今の私の礎になっています。テレビというメディアから「書く」メディアにシフトした今も、あの番組のプロデューサーに、スタッフに教えていただいたことを常に思い出しながら書いている。
それだけに…あの頃とは違う番組、違うスタッフではありますが、残念としかいいようがありません。
そもそも今回のコロナ報道では、テレビの伝え方に当初から違和感を感じていました。今でこそほとんどの番組が出演者同士の距離をっていますが、「三密」を警告しながら、いつもどおりの距離感で放送を続けていました。
どこか「他人事」だったのではないか。どこかに「慢心」があったのではないか。
そういった意味でも、世間の厳しい意見を真摯に受け止め、「報道人」としてのミッションをきっちりと果たすべきだった。
みなさんのご意見もお聞かせください。
image by: Morumotto / Shutterstock.com
※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2020年4月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。