なぜJリーグの再開カードは、公式発表より先に報じられたのか?

 

オフの移籍市場のリーク問題

Jリーグとメディアは持ちつ持たれつの関係である。開幕カードの確かな情報をキャッチできたメディアは注目される。情報の精度の高さを考えると「どこかから漏れてしまっているのではなくてJリーグが話題になるように意図してリークしている」と考えられるが、原博実副理事長の立場でストレートに言うことは難しいのだろう。毎度、リークされることに関して「Jリーグという組織の情報の扱い方」に不信感を持つ人は両氏のように一定の割合で出てくると思うが個人的には「そこまで問題視するようなことではない」と思う。

ただ、情報が漏れるのは開幕カードだけではない。クラブにとって一大事なのは選手の契約や移籍に関する情報が漏れて話がスムーズにいかないケースである。オフの移籍市場ではいきなり公式サイトに選手の移籍が発表されることもあるが、J1の人気クラブや有力クラブになると事前に「○○が××に移籍するらしい」、「△△への移籍が確実」などの情報が流れる。選手の移籍に関する情報は誰かが意図的に流さないとメディアにはほぼ流れないがメディアに流れたことで移籍自体がお流れになることはあり得る。

情報が事前に漏れたことで移籍が見送りになった例としてはプロ野球の中村紀洋のケースが挙げられる。2002年にFA権を取得して「メッツ入り」がメディアで報じられたが、その後、白紙になって、結局、近鉄に残留した。「4年契約で約20億円プラス出来高払い」という破格の契約を結んだことが近鉄球団の経営を圧迫して、その後、「オリックスとの合併」、「球界再編」、「楽天の新規参入」、「交流戦の導入」につながっていくが「確かにメッツと契約寸前までいっていたがルール違反する球団とは契約できない」とコメントした。

この件は「中村紀洋側の誤解だったのでは?」と言われているが移籍に関する情報が全くリークされなくなるとオフの移籍市場は盛り上がらなくなる。いずれはそうなるのかもしれないが「どこまでがOKで、どこからがNGなのか?」の線引きは難しい。「選手の移籍交渉が上手くいっていたのにメディアに流れたことでうまくいかなくなる」というのは普通にあり得る話である。そうなった場合のやりきれなさは大きいと思うが、事前にメディアに漏れることでJリーグのオフの移籍市場が大いに盛り上がっているのも確かなことである。

image by:mooinblack / Shutterstock.com

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