大揺れ韓国。電撃辞任の韓国検事総長が文在寅に投げつけた爆弾

 

尹総長の辞任は、一次的には重大犯罪捜査庁のためだ。コンスチョの他にこんな部署まで設置されるというのは、生きた権力(つまり現政権など)を捜査してきた検察を解体し、法治システムを破壊すると考えたためだ。実際、与党と法務部がよってたかって、尹総長が1ミリも動けないようにしてしまったも同然だったのだ。これほどまでの侮辱、屈辱があろうか。尹総長は、そうした与党、法務部、青瓦台らがこぞって彼に辱めを与えるのを、がまんにがまんを重ねて耐えてきていた。重大犯罪捜査庁の案が与党から出されるに及んで、「もはやこれまで」と腹をくくったのだ。こんなもの(=重大犯罪捜査庁)までできてしまっては、検察の存在理由すらなくなってしまう。骨抜き以上の骨抜き、丸裸にされてしまうことになったわけである。

一方、辞任のタイミングが絶妙にも、いわゆる「尹錫悦防止法」を避けることができた。公職者(検察総長とか大法院長など)が選挙に出馬するためには、1年前に辞任しなければならないという内容で、与党が作成している検察庁法改正案を、無力化させることができるようになった。次の大統領選挙は来年3月9日に行われるわけだが、尹総長が辞表を出した3月4は逆算すれば1年と5日前になる。1年以内じゃないから、つまり出馬可能ということになる。

今日も、テレビ、新聞のニュースは、尹総長とLH公社の不正投機疑惑で持ち切りだ。尹総長の一挙手一投足が、話題となっている。慎重に処世してゆかねばならない。いろいろのブレーンも相当数、「わたしが尹総長を支えてゆきたい」と名乗りをあげている。尹総長が今後具体的にどういう動きをしてゆくか。非常に興味深いところだ。さしあたって、きのう、尹元総長は「LH土地投機疑惑は疑惑当事者への面接などという生ぬるい物ではなく、金の流れの部分を徹底して捜査すべき」だとコメントした。しかし、今は「元」の名の付く立場であって、検察の中にはいない。LH不正疑惑が噴出してすでに1週間も経ってしまっている。政府はこの事態を徹底して捜査しようという意志はない(ようだ)。当然だ。徹底捜査すれば、政府内部に不正投機したやつが出てくるだろうし、LH公社の元社長であるビョン・チャンフム(名前も韓国語としてもかなり変なものだ)というやつを現在の国土交通省の長官に任命したのが文在寅なのだから、文にとってはかなり都合が悪い。こういう時には、必ず「われ関せず」と知らんぷりするのが文の真骨頂。

LH公社に今日、警察(検察ではなく)が入って、青い箱に資料などを詰めて「捜査」したような演出をしているけれど、もうこの1週間のうちに、かなりの証拠隠滅がなされているはずだ。誰も、あの警察の捜査で犯人たちをひっとらえることができるなどとは、思っていない。

国が滅びてゆくんじゃないかという危機感を、朝鮮半島に住む日本人ではあるけれど、少なからず感じてしまう今日この頃だ。市民たちは怒り狂っている。

image by: 青瓦台 - Home | Facebook

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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