【書評】日本人は変人だらけ。「イグノーベル賞」14年連続受賞中で世界も嘲笑

 

この本では、イグノーベル賞受賞研究の中でも、比較的最近のものに焦点をあてて紹介している。時には真面目に、時には個人的ぼやきを交え、“若干意識低め”なタッチで書いている。日本人受賞者の功績を多めにピックアップしており、あまり日本で話題にならなかった面白研究も含まれる。

話が長い人、声が大きい人を黙らせる機械が「スピーチジャマー」。英語の「jam(物や言葉を詰まらせる)」と、日本語の「邪魔」をかけた命名だ。発言者の発声と同時(0.2秒後)に、その声が聞こえることで発言者を混乱させ、黙らせるという。大きなピストルのような形状で、向けられただけでびびっちゃうよ。当面は実用化の予定はない。

哺乳類がおしっこに要する時間はだいたい同じだという。2015年物理学賞受賞の研究によると、ヒトもイヌもウシもゾウも、ほぼすべての哺乳類は21秒以内でおしっこが済むはずだ。哺乳類が膀胱に溜めた尿を出し切るのにかかる時間は、その動物の体積の1/6に比例するからだという。

「小」ときたら「大」だ。ほとんどの哺乳類は12秒でうんこが済むと発見した。なぜこんな短時間なのか。用を足すのに時間がかかればかかるほど、自らを危険に晒すからだ。排便の時間研究データは、宇宙飛行士向けのオムツの開発に役だった。

自らハチに刺され、一番痛い個所を特定するとか、トガリネズミを丸飲みして、消化のされ方を分析するとか、体を張った泥臭い努力が輝くときもある。でもよい子は絶対に真似しないでね、と著者。イグノーベル賞は、一応「再現されるべきではない研究」に与えられるからだ。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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