田舎暮らしで待ち受ける地獄。ハウツー本では語られないリアルな悲劇

 

さっそく、本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックしてみます。

<周辺が緑に囲まれているほど、それは「開発の余地」があることになり、そこが自身の所有地でない限りは、こうした景観一変、環境一変の事態に見舞われることを覚悟しなければならない>

<土地を購入して住居を建てる場合は、できるだけ南向きの眼前を広く開けること→土地境界ぎりぎりに建物を建てると、まさしく眼下に太陽光パネルがぎらぎらと反射することになりかねない>

<南向きにある程度木を残し、林のなかの立地での建物共生をはかること>

<建築規制のある場所に住まうこと>

<築年数ではその痛み具合が決して把握できないのが、田舎の家屋である。家屋だけはその土地の気候や風土を一般論から眺めてはいけないのだ>

<ある40代の移住者に、移住して数ヶ月後、村からの国民健康保険料の徴収告知が届いた。「なんと、それまで暮らしていた東京都内の実に5倍強でした。毎月の健康保険料と介護保険料を合わせると5万円を超えていたのです。保険料だけで単純に60万円近くになったのです」>

<和室が多いってことは、つまりこの畳の表替えの枚数が多いってことなんです。田舎は畳屋も競争がありませんから、これがバカ高いんですよ。1枚8,000円から取りますから。10畳の部屋が2部屋もある古民家ならば退出のときの表替えの費用だけで16万円です>

<地方行政の最大の難所は、行政の指導が及びえない領域があり、それが地域をとりまとめる、区であり、組でありといった集落にほかならない。行政がその方針を徹底させるにしても、そうした区や組の最有力者である長老組が納得しなければ物事は動かないのだ>

<都会に自宅がある人間は絶対に手放すな>

<わずかでも必ず副業を持て>

<山間部の移住地候補は冬に見る>

<木を伐るのはひと冬待て>

移住者同士のマウンティング、突如現れる太陽光発電パネル、かさむ光熱費とガソリン代、高額な国民健康保険料…。

あまり言及されない田舎暮らしのリアルが詳細に書かれており、移住地選定のヒント、住まい方のヒントとして、有用な一冊です。

ぜひ読んでみてください。

image by: Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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