日本の自動車市場への参入を試みているのは、もちろん中国メーカーだけではありません。米国からも来ています。
中国企業だけが参入しているわけではない。米国の商用EVメーカー、セントロ・エレクトリック・グループは11月に日本での軽トラック販売の認可を取得し、アマゾンの地域配送パートナーであるアマゾンフリートや、日本最大のフラワーギフト協会である花キューピットに同社のバンを使ってもらう予定である。
セントロの最高経営責任者であるピーター・ワン氏は、高齢化社会を迎えた日本での宅配に明るい未来があると見ている。同社は、福島に組立工場を建設し、現地でEVを生産し、その一部を東南アジアに輸出する計画も進めている。
もちろん日本のトラックメーカーも反撃に出始めている。いすゞ自動車は2022年にEVトラックの量産を開始し、トヨタ自動車傘下の日野自動車は今夏早々にミニEV「デュトロZ」を販売する予定だ。ヤマトホールディングスは5月まで2台の日野自動車のEVを使い、CO2排出量をどの程度減らすことができるかを追跡調査する。
しかし、日本のEVトラックの価格はディーゼルトラックの約3倍と予想されており、物流会社はEVトラックの購入に苦労するかもしれない。
解説
記事では「1980年代に世界を席巻したパナソニック、ソニー、東芝、シャープのような家電は、安価な中国製に負けた。日本の電気自動車産業は、家電産業と同じような危機に直面するのではないかと心配する人もいる」とも記していますが、これがもう「心配」のレベルではないことはだれもが同意するところでしょう。
日本企業は、進むべき道が決まれば強いです。しかし今のようにどの道に進んでよいのかわからない時代は弱点を露呈します。
社内のコンセンサスがとれず、また終身雇用で簡単に人を入れ替えることもできないからです。必要とされているのは絵を模倣する能力ではなく、真っ白なキャンバスに絵を描く能力です。そういった人材をいれて、失敗を恐れずにチャレンジする環境を与えた企業に未来が生まれます。
例えばトヨタが富士山麓で建設を進める未来都市の運営会社、「ウーブンプラネット」グループはトヨタの社風、人事システムとまったく違うそうです。このプロジェクトが成功すれば今までのトヨタへの自己否定になりかねません。大変な事です。壮大な実験ですが、トヨタだからこそ今までの企業文化を変える必要性を強く理解しているのでしょう。
「企業文化を変える実験を行う」ことは多くの日本企業がしてよいことでしょう。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』1月23日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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