では次の人はどうか。
2.A夫さんとほぼ同じく令和4年3月に58歳を迎えるB男さん。
過去の年金記録は20歳から50歳までは未納にしてきてしまい、その後は厚生年金に加入していてもう8年になります。平均給与は25万円です。
B男さんは厚生年金加入中に私傷病で亡くなりました。
その時に残された遺族は妻45歳と、子21歳、B男さんの父母どちらも80代です。
誰に遺族年金がいくらほど支払われますか?
さて、B男さんは過去の未納が30年もあり、厚生年金の8年しかありません。
よってA夫さんのように全体の年金受給資格期間25年以上を満たしていません。
25年を満たしていないなら受給できないというわけではなく、死亡日の前々月までに国民年金の被保険者期間がある場合は、その3分の1を超える未納が無ければそれでもいいです。
しかし全体の38年のうちの30年が未納なので、未納率はほぼ80%近くもあります。
じゃあ、遺族年金は諦めるのかというと、死亡日の前々月までの直近1年間に未納が無ければそれでもいいです(特例)。直近1年間には未納は無いので、保険料の条件は満たしています。
次に遺族ですが、このメンバーだと妻のみになりますね。
子はすでに成人してるので、「子のある妻」にはならないので遺族基礎年金は支給されない。
※ 参考
令和4年4月1日からは民法改正で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられるが、年金には影響はない。
よって、支給されるのは遺族厚生年金のみ。
・遺族厚生年金→25万円×5.481÷1,000×300ヶ月(最低保障月数)÷4×3=308,306円
さらに、B夫さん死亡時に妻が40歳以上の場合は中高齢寡婦加算583,400円も加算される。
遺族厚生年金総額は308,306円+583,400円=891,656円(月額74,304円)となる。
この金額は妻が65歳になるまで支給されます。