アイディアが斬新。人気の学食運営会社が学生を経営参画させるワケ

2022.06.23
 

学食の長い休業対策として新しい飲食業に着手

学食運営の事業者にとって大きな課題は、大学が年間約4カ月間休業し、この間学食を運営できないということだ。オリエンタルフーズはこの休業期間に一般の飲食店のオペレーションを臨時で請け負うことで売上をまかなっていた。それが東京・五反田の東急池上線高架下の「五反田桜小路」に肉バルやワイン販売店を出店することによって、常設の飲食店を構えることができた。これによって後述する五反田のイベント等に参加するようになり、このノウハウが整っていくにつれて事業内容が広がっていった。

また、フードトラックの事業にも着手。きっかけは学食運営で培ったスピーディな調理、販売予測とロス管理のノウハウがこの分野に生かせると考えたからだ。これを手掛けるようになってから、産地との関係性が深まるようになり、淡路島、鹿児島、北海道、山口、高知、福岡、山梨等々、産地の食材を使用したフードメニューを提供、フードトラックが都会で営業することによって地方活性化につなげるプロジェクトに発展するようになった。フードトラックは現状、3台保有している。

フードトラック事業にも参入し、今や大学のキャンパス内で学生が運営している

フードトラック事業にも参入し、今や大学のキャンパス内で学生が運営している

フードトラック事業によって全国の生産者との交流も生まれ、産品の活用を推進している

フードトラック事業によって全国の生産者との交流も生まれ、産品の活用を推進している

オリエンタルフーズでは、東洋大学での学食、五反田でのリアル店舗、フードトラックと店舗運営の形態が広がっていったが、それぞれの運営に関して学生に積極的に参画してもらう仕組みをつくっていった。これは学食で学生に触れる機会が多い中で米田氏自身がひらめいたという。米田氏はこう語る。

「学生のアイデアは斬新で、それが実際の営業に新しいアイデアとして生かされると働いているわれわれが触発される。そして、アイデアが採用され実績として表れた学生にとって、その教育的効果はとても大きいと考えるようになった」

五反田桜小路でリアル店舗を構えたことがきっかけとなり、五反田駅前の肉フェスである「五反田G1グランプ」に参加するようになった。同社はここで2014年と2019年に優勝しているが、2019年に優勝した「伝説の牛カツ赤ワインソース」は学生アルバイトが提案した企画であった。この他、肉バルでも学生アルバイトのアイデアをメニュー化した事例が数多くある。

学生を経営参画させることによって生まれたメニューが肉フェスで優勝

学生を経営参画させることによって生まれたメニューが肉フェスで優勝

このような活動が、2020年3月放送の『カンブリア宮殿』(テレビ東京)で紹介されたところ、大きな反響があった。それは「新しい学食運営」の依頼である。

オリエンタルフーズでは外国人雇用を積極的に推進している

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