岸田首相の大矛盾。民主主義に欠けた安倍元首相国葬決定のプロセス

 

果たして、国葬のプロセスは民主主義と言えるのでしょうか。民主主義を簡単な言葉で説明すると「ものごとをみんなで決めましょう」という考え方のこと。改めていうまでもありませんが、子供にわかりやすくいうならば、この説明を否定する人はいないでしょう。

少数派の意見も、多数派の意見にも耳を傾ける。「聞くこと」を自分の強みとしていたのに、その耳はいったいどこに行ってしまったのか。

この国は結局、「見たいものしか見ない」「聞きたいことしか聞かない」為政者によって動かされているのだと、つくづく虚しくなりました。「血税」をまるで自分のお財布から出すように、簡単に使う政治のあり方にも、今回ほど怒りを感じたことはありません。

そして、もし「国葬に反対していた人も、国葬やっちゃえば反対してたことを忘れるよ。オリンピックもそうだったでしょ」などと、本気で政治家が考えてるとしたなら、救いようがない。しかも、その政治家を選んだのは「私」たちです。「そっか。私はおかしいと思うけど、日本人はおかしいと思ってないのか」と、自分の考え方に疑問が生じてしまうのですから、政治の力の罪深さを嘆かずにはいられないのです。

そんな中、国葬当日、「皆さまおはようございます。内閣総理大臣の安倍晋三です。本日、私の国葬が厳粛に執り行われます」と安倍氏が語る動画が、YouTubeに公開されました。

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制作したのは、東京大学の学生有志が立ち上げたという「東京大学AI研究会(東京大学人工知能研究会)」を名乗る団体です(東大は否定)。

同団体は、「故安倍元総理追悼AIプロジェクト」と名付け、26日までに6本の動画を公開しています。すべてAIを使い、安倍元首相の音声も再現。安倍氏の声をAIによる合成音で仕立て、画像は安倍氏の静止画で公開されました。

この投稿にSNSでは賛否両論飛び交っていますが、正直なところ薄気味悪いです。どのような経緯で、何を目的に、誰が作成したのかはわかりません。

しかし、海外ではAIによる合成映像技術「ディープフェイク」を利用した政治活動が有権者の心理に及ぼす影響が危惧されています。一部の国や地域では、禁止しているとこもあると聞きます。

いずれにせよ、今回の「国葬問題」では、旧統一教会と政治家たちとの深い関係が表面化するなど、政治のあり方を見つめ直す転機になったように思います。

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