ワクチン問題と共通、河野太郎氏の「悪癖」
マイナンバーカードを利用した“ネット検閲”への懸念に対して、並の政治家なら「誤解を与えたのだとしたら謝罪する」などと釈明しそうなものだ。
しかし今回、河野太郎氏はツイッターで、そのような不安の声を「フェイクニュース」と一刀両断している。しかも、具体的に何がどう「フェイク」なのかの説明はどこにもない。
このような河野氏の強気姿勢には既視感がある。今年の正月早々、「運び屋の自分が後遺症の責任を取るなどと口にしたことはない」などと発言して大炎上したコロナワクチン問題だ。
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「大人の常識として、元ワクチン大臣が逃げ支度や言い逃れをはじめたら、それは極めて危険なシグナルですよね(笑)ワクチンの安全性に不安を抱く人が増えるのは当然の流れでした。
ところが、あのとき河野さんは、ワクチンの安全性に懐疑的な人々すべてに『デマばかりの反ワクチン派』というレッテルを貼った。自らの主張に有利に働く極端なデマを都合よく拾い上げて印象操作をする一方、多くの国民が本当に知りたがっている疑問はスルーした。いわゆる『チェリー・ピッキング』型の詭弁を弄しました。
今回の“ネット検閲”騒動での初期対応もそれと共通しています。某まとめサイトの伝え方は確かにミスリードだったでしょう。でも、河野さんが『フェイクニュースの出元はここか』とまとめサイトを批判したところで何になりますか?マイナンバーカードによるSNS年齢制限を打ち出して騒動のきっかけを作った張本人が、“ネット検閲”への懸念すべてをデマ扱いすることなんて、絶対にできないはずなんですけどね」(前同)
極端な一部のデマを発掘してきて、それをもってすべての反対意見に「フェイク」のレッテルを貼ってしまうのは河野氏の悪癖のようだ。
だが、今どきのネット民にそんな屁理屈は通用しないし、瞬時に「論点すり替え乙」と見破られてしまう。火に油を注ぐようなものだ。
河野氏はサクランボを摘む前に、もっと国民ひとりひとりの声を拾い上げたほうがいいのではないか。
image by: デジタル庁公式YouTubeチャンネル