もう無理だ。林真理子氏よ、守旧派の「悪意」に満ちた日大からサクッと脱出せよ

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理事長を務める日本大学のアメリカンフットボール部薬物事件に関する新たな疑惑が発覚し、マスコミから猛バッシングを受け続けている林真理子氏。稀代の作家はこの先、どう対処すべきなのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、マスコミが林氏のバッシングにのみ血道を上げる現状は全員を不幸にすると断言。さらに彼女に現在の状況を逆転するスキルはないとした上で、「林氏は日大から猛スピードで逃亡すべき」との見解を記しています。

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※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年8月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

もう無理。守旧派の悪意に満ちた日大からサクッと脱出すべき林真理子氏

日本大学の状況はどんどん悪化しています。まず、8月22日に文部科学省は大学に対して「管理運営体制の再構築を求める通知」を出しました。また、アメフト部の違法薬物事件については、容疑者1名が複数名(OB含めて10名?)になる中で、大学内での情報伝達や警察への連絡の遅れといった問題があったとして、第三者委員会による調査・検証結果について9月15日を期限として報告せよとしています。

具体的には、保護者からの情報提供、部員からの大麻使用の申告などがあった際に部内だけでの情報共有にとどめた理由や、8月8日の会見での説明と報道されている警察関係者の発言との食い違いなど、10の項目について調査・検証するよう求めているようです。

何が問題なのかというと、まず、これまでの流れの中では、メディアが寄ってたかって「林真理子理事長」のことばかりを追いかけているわけです。「会見が下手」とか「沈黙している」などと批判しながら、とにかくTVは「これでもか」とばかり林氏の顔を映してきました。

ですが、よく考えれば、林氏のところに正確な情報が上がるはずもなく、また林氏に事実上の決定権もあるはずもないわけです。とにかく、「お飾り」として、据えられているわけで、メディアが「事件の本質」や「日大の本当の改革」といった問題の核心に踏み込むことはなく、ただ「林氏」が悪いというように、林氏のことばかりをフォーカスするような流れになっています。

今回の役所の対応にしても、これ自体はどの大学でも問題があれば、理事長宛に通知を出すことはあるのでしょう。ですが、今回に限ってはその「理事長名」が著名人であることから、「林真理子理事長に対して通知が出た」というように書くと、メディアとしてはニュースのヘッドラインにできてしまうのです。

問題は明らかです。

林氏には悪意はないと思います。母校の苦境について「あなたの力を貸してほしい」と言われて断れなかったのでしょうし、理事長をやることは名誉になるとその時は考えたのでしょう。

また、林氏が「巨大組織のポリティクスを駆使して、腐敗している部分を切り捨てて、組織全体を再生する」というような作業については、経験も知識もない方だというのは明らかです。

であるならば、容易に想像できるのは、日大の中に守旧派が巣食っていて、そのために組織防衛的な行動が反社会性を帯びてしまうとして、それでも「守旧派を守る」ためには、世間のバッシングを浴びるサンドバッグとして林真理子氏を「使い捨てにしよう」という勢力があるということです。そのような悪意が最初からあったのかは別として、現在起きているのはそういう力学です。

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