基地建設予算の75%が本土のゼネコンに。「利権の問題なので止められない」元防衛相も認めた“辺野古移設利権”の現実

 

県民から強く感じる「日本の政治に対する失望」

長野さん 「そして、一方なんですけど、16日に投票が行なわれた沖縄県議会議員選挙の話も伺いたいのですが?」

前泊教授 「はい」

長野さん 「普天間基地の辺野古移設に反対する勢力と容認する勢力、24議席ずつで同数となって、反対と容認の民意が二分された形、ということなんですが、県政野党が地域振興や経済を前面に出したことによって議席が伸びたという…」

前泊教授 「私にとっては45%という過去最低の投票率が衝撃でした。沖縄にとっては、米軍統治下で選挙権のない時代を27年間も過ごして、ようやく投票権を手に入れた。そういう意味から沖縄では、70年以降は80%以上の投票率を維持して来た。この選挙に対する強い思いが沖縄復帰にもつながって来たのですが、(今回の県議選では)県政が見捨てられたのかというくらい関心を持たれなかった。

私も事務所に『投票に行った人いるか?』と聞いたら20人中ゼロ。若い人たちから『県議って何してるのか分からない』『彼らの利権のためにバイトを休んで投票に行くなんてバカらしいよね』、そんな発言が飛び出したりすると『ちょっと待てよ』と。県議ってちゃんと仕事をしてたのか?それがちゃんとアピールできてるのか?で、今回は基地問題で『どんなにがんばっても、もう無理だろう』と。反対をしてた年配の人たちからも『もう投票に行くのはやめた』という声を聞きました」

長野さん 「これはやっぱり『諦め』ですか?『怒り』あるいは『失望』、いろんな感情だと思うんですけど」

前泊教授 「日本の政治に対する失望のようなものを(県民から)強く感じますね。何を言っても(政府には)もう通じない。そうであれば(投票に)行ってもしょうがないんじゃないか。私は、沖縄って日本の政治のカナリアだと思うんですね。この炭鉱のカナリアが、最初に息の根が止まる。あるいは鳴いて訴える。それで全体に危険を知らせるというのがありますが、沖縄の今の状況というのは、この日本全体の低投票率、選挙民主主義の危機を示してるような気がしますね」

長野さん 「私が米軍ヘリの事故で沖縄を訪れた2004年より、むしろ状況が悪くなっているというのは、人々の失望もあるし、普天間基地の危険除去という部分で、あの時代はまだ皆さん前向きに政治に対して考えていましたよね」

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