海兵隊からは「普天間の代替基地は普天間である」との発言も
前泊教授 「私はむしろ、これまで裁判に引っ張られていたものが、これで本質的な議論に入って来るような気がしますね。この基地ってそもそも必要だったの?っていう。そして、それをアメリカの海兵隊の司令官たちまでもが大っぴらに言うようになって来た。こうなって来ると、埋め立ての是非を巡るよりも、むしろこの基地の建設の必要性を見直す時期に来ているのです。海兵隊からは『我々にとって普天間の代替基地は普天間である』という発言まで昨年11月に出て来ています」
長野さん 「そうなんですか?ありえないですね」
前泊教授 「オスプレイの配備も、昨年11月に種子島の沖で墜落した時に、これは危ないということで、アメリカ側は飛行停止処分を出して、全世界で止めたんですね。それで今年3月の飛行再開では『まだ事故の原因が分かっていないので、30分以内に基地に戻れるところまで飛行を再開しても良い』ということでした。しかし日本では自由に飛行させたんですね。
日本政府は『安全だ』とおっしゃいますが、そうであれば、災害救助や現場にすぐに駆けつけられるオスプレイの素晴らしさを発揮してもらうためにも、17機買った自衛隊のオスプレイのうち2機を首相専用機として使ってみてはどうか、そういう提案もしています」
長野さん 「あっと言う間にお時間となってしまいましたが、先生のおっしゃった問題点は本当に日本全体で共有しなければいけないと強く思います。日米地位協定の問題なども聞きたかったのですが、お時間となってしまいました。またよろしくお願いします」
前泊教授 「はい。どうもありがとうございました」
長野さん 「『ニュース アップデート』、沖縄国際大学の前泊博盛教授でした」
…というわけで、4月から始まった文化放送の新番組『長野智子 アップデート』は、平日の15時30分から17時までの帯番組ですが、この「1時間半」という枠は、日々のニュースを取り上げながら、その日の特集も掘り下げるには、やはり時間が足りません。そのため、手探りでスタートした当初は、せっかく取り上げた独自の視点での特集が、消化不良で終わってしまうこともありました。
しかし、スタートから3カ月目を迎えた現在では、月曜は文化放送の鈴木純子アナ、火曜から金曜までは鈴木敏夫解説委員という素晴らしいパートナーとの二人三脚で、短時間の枠でも省略できる部分は省略し、要点をコンパクトにまとめて全体像としてきちんと着地させるという構成力が構築されました。
その上、長野智子さんの美声は耳に心地よく、どんなに厳しい表現を使ってもトゲトゲしく感じません。これはラジオ・パーソナリティーとして大きな武器だと思います。最近の風潮に流されず、おかしいことを「おかしい」と言ってくれる長野智子さんに、これからも今回のような良質の放送を期待しています。
(『きっこのメルマガ』2024年6月26日号より一部抜粋・文中敬称略)
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