中国が「平和の祭典」でも暴挙。パリ五輪会場で観客から台湾応援グッズを没収の“指示”を出したのは誰か?

 

その「多様性」ですが、女子ボクシング競技では、台湾とアルジェリアの選手が性別問題で注目を集めました。以下、報道を一部引用します。

パリオリンピック女子ボクシングは4日、57キロ級準々決勝が行われ、性別問題で注目を集めた台湾の林郁婷がブルガリアの選手を破り、銅メダル以上を確定させた。ボクシングでは3位決定戦が行われないため、準決勝に進んだ選手はメダル獲得が確実になる。

66キロ級の準々決勝ではアルジェリアのイマネ・ケリフがハンガリー代表を破り、銅メダル以上が確定。渦中のボクサー2人がメダルを手にすることになった。

2人を巡っては、国際ボクシング協会主催の世界選手権でDNA検査の結果、XY染色体を持つとして出場が認められなかった経緯がある。

性別問題で注目集めたアルジェリアと台湾の女子ボクサー、銅メダル以上確定

国際オリンピック協会は、「2選手は『東京五輪を含む過去大会に何年も女子選手として出場してきた。IOCには選手の人権を守る責務があり、出場資格規定を大会途中で変更することはない』と強調。バッハ会長は『女性として生まれ育ち、女性としてのパスポートを持ち長年競技をしてきた。それは女性であることの明確な定義』と語っている」、と明言しています。

このジェンダー問題にしろ、開会式でのキリスト教会からのクレームにしろ、平和の祭典であるわりに、かえってなにかと対立や分断を生み、それが表面化する大会だったという印象が残りました。

それはともかく、今のところ、台湾のメダルは金1、銅3の計4つですが、台湾の選手が登場する競技では、中国の選手と対峙する場面が少なくありません。冒頭で紹介した台湾グッズを巡るトラブルはバトミントンの男子ダブルスで中国選手と台湾選手による決勝戦の際に起こりました。結果は台湾の選手が金メダルでした。

そんな台湾と中国の対立がエスカレートする中で、ホッとするニュースもありました。体操男子種目別競技の鉄棒では日本の岡慎之介選手が金メダルを取りましたが、この時、台湾の唐嘉鴻選手と中国の張博恒選手の2人が銅メダルを取りました。そしてこの2人は、授賞式などで談笑し、互いの健闘をたたえ合い、記念撮影する際は「張博恒が唐嘉鴻の胸に親指をさしてリスペクトを示した」とのことです。

「良い風景だったなぁ」体操鉄棒でともに銅メダルの中国&台湾の両選手が表彰台で“和気あいあい”にネット反響!「中国エースは心もイケメン」【パリ五輪】

このニュースにはネットでも話題となり、スポーツとはこうあるべきだという意見が多くみられたそうです。

悲喜こもごも様々な話題を振りまいてくれているパリオリンピックはまだ続いています。観客の我々は、選手の奮闘を称え、結果の如何に関わらず拍手を送りつつ観戦を楽しみましょう。

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