まだノーベル平和賞を諦めない米大統領。韓国の政府筋で広がる「トランプ10月平壌訪問」情報の現実度

 

トランプ大統領の訪朝があるとすればいつか。韓国の慶州(キョンジュ)で行われるAPEC首脳会談(10月27日から11月1日)の前だという。北朝鮮との外交成果を持って首脳会談に出席するというのだ。

注目すべきは韓国の李在明政権の人事だ。統一相に鄭東泳氏が選出されたことに注目すべきだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2004年から05年にも統一相を担い、南北経済協力のための開城工業団地事業を主導し、北朝鮮を特使として訪問、金正日軍事委員長と単独会見も行った。北朝鮮と対話する環境を作り、朝鮮半島の緊張緩和の突破口を切り開く再適任者として評価されている。米朝対話についても「トランプと金正恩の接触、対話を我々は支持しており、楽しみにしている」と語っている。

北朝鮮は韓国に対して厳しい立場を崩す気配はない。だが鄭東泳統一相は、7月31日に民間人が北朝鮮住民と接触することを制限してきた「北韓住民接触申告処理方針」を廃止したと発表した。これからは民間人が北朝鮮と接触することを全面的に認める。北朝鮮に対決姿勢を取ってきた尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が、音楽公演などの文化交流などをほとんど否定してきた方針の大転換だ。

韓国政府が北朝鮮との相互理解を進める方針のもとで、トランプ大統領はいかなる判断を下すのか。10月までの政治スケジュールが注目される。

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ジャーナリスト、テレビコメンテーター。立憲民主党所属の元参議院議員(2期)。出版社に勤務後、フリージャーナリストとして「朝日ジャーナル」「週刊文春」など霊感商法批判、統一教会報道の記事を手掛ける。1995年から2007年まで、日本テレビ「ザ・ワイド」に12年間レギュラー出演。2010年には民主党から立候補、参議院議員となり、北朝鮮拉致問題、差別、ヘイトスピーチ問題などに取り組む。「北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実」(集英社新書)、「改訂新版 統一教会とは何か」(大月書店)など、著書多数。

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