なぜトランプはベネズエラ侵攻のカードを切ったのか?米軍という「世界最強の軍事力」の使い方を理解してしまった“西半球の独裁者”

 

トランプがさっそく繰り出したお得意の「SNS経由での圧力」

トランプ大統領はSNSで「ロドリゲス氏が石油権益を譲ることに同意するだろう」的な話をしていますが、ロドリゲス氏側はこれについてコメントしていませんので、これはお得意のSNS経由での圧力なのかなと考えています。

治安の安定化または政治の安定については、ロドリゲス氏は非常に反米の自身の素性は一旦隠し、反米的なアピールをパドリノ国防相やカベジョ内務・法務相に任せ、国内における親チャベス・Maduro勢力の引き締めと連帯の強化を図っているようです。ゆえに“安定”はしていますが、これが望ましい状況かどうかは不明と言わざるを得ません。

一件、非常にスピーディーに対応し、アメリカからの第2次攻撃を回避する策を取っているように見えますが、実際にはMaduro派に広がる混乱を鎮め、団結を強めているのが実情です。

今のところ、アメリカ政府曰く、ロドリゲス氏との交渉は順調に進められているとのことですが、チャベス氏を心酔し、Maduro政権の要とまで言われたロドリゲス暫定大統領の交渉術の前に、国内外にアピールできるような成果を獲得できるかは不透明です。

またこのシナリオの危険性は、アメリカが今後を話し合っているロドリゲス暫定大統領は、あくまでも生粋のMaduro派であり、欧米的な立場では人権侵害および麻薬横行の片棒を担いでいる張本人とも言われていて、制裁対象にしているような人物を相手に“将来”を決めようとしているプロセスが、果たして反Maduro派の人々に受け入れられるかは非常に怪しいと考えています。

2025年度のノーベル平和賞を受賞したMachado女史をはじめとする野党などがロドリゲス暫定大統領とその仲間たちが“決めた”内容に従うのは難しいでしょうし、現政権のみならず、国軍も行政機関もMaduro派で固められた状態で、反Maduroの方針を推し進めるのは困難だと思われます。

アメリカの政府関係者曰く、このシナリオ下でのベストシナリオは、「アメリカとの協議の末、ベネズエラ国内政治が安定を取り戻したのち、ロドリゲス暫定大統領が総選挙を行い、選挙で選ばれたリーダーがベネズエラを統治するという“平和裏の権力の移行”が行われること」だそうですが、果たしてうまくいくでしょうか?

私は懐疑的です。

2つ目のシナリオは――(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2026年1月9日号より一部抜粋。全文をお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)

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