女子中学生が自殺未遂にまで追い込まれても「逃げ」を狙った東京・大田区名門公立中学校“いじめ問題封殺事件”の酷すぎる全貌

 

学校側は逃げ切りを狙った

保護者から相談を受けた校長は、後輩から聞き取った「証言」を、「伝聞」だとして、証言をする事自体が悪質な行為だと断じた。これについては保護者のみならず、朝礼で全校生徒に向けても講話として話している。

担任と部活顧問は同一の教員であるが、この教員については、全く指導というものを行わなかった。もはや、加害者擁護、やりたい放題の状況になっていたわけだ。

ここで私に相談があり、まずは後輩が学校に話した内容は伝聞ではなく証言であるという正しい知識を保護者に伝え、仮に伝聞であった場合には(本件は断じて伝聞ではないが)刑法では証拠にならないのが通説であるが、誤って理解していたとしても、起きた事実は、深刻ないじめであり、いじめ防止対策推進法第28条の重大事態いじめ(1号)に該当することを伝えたが、再交渉をしても校長が逃げ回るため、教育委員会に申し入れを行うことになった。

開示請求拒否

大田区教育委員会の対応は当初スムーズであったと言えた。私は数百の教育委員会とこの手のやりとりをしているが、比較的スムーズに重大事態いじめの申し入れを受け入れたと言える。実際のところ私は、大田区のPTA主催の講演会に招かれ、当時の教育長の前で、いじめ問題の実際について講演をしたこともあり、さすがにやってくれるだろうと油断していた。

しかし、とんでもない事件が起きた。

被害保護者が本件に関する情報開示をしようとしたところ、開示窓口である教育委員会から学校で開示請求をしろと言う案内を受けたのだ。

情報開示請求は、法においても大田区の条例においても実施機関が執り行うことになっており、教育関連のものは教育委員会に集約されることになっている。つまり、実施機関は教育委員会しかない。役所にある開示請求の申込書にも、学校の欄はなく教育委員会とある。

混乱した被害保護者から、どういうこと?という問い合わせを受けた私はさらに混乱した。一体どういうことか?と思ったのだ。このまま申し込みしたところで、文書がないので不存在で終わりですと窓口は言うというのだ。

しかし、法でも条例でも確認する限り、開示窓口は教育委員会なのであり、学校ではない。当然公務員である職員が、法にはない独自運用ルールを案内するはずはないのだが、案内してきているのだ。

「うるせーよ、しのご言わず学校行けよ」と思った読者の方もいるかもしれないが、この疑問は、行政手続きのテクニカルな壁に繋がっていくのだ。

結果、不存在で一度は回答を得たものの、その後はこの運用は違うのではないかと再度直接私が話したところ、開示を受けることができた。

まずは、この仕組みを読み解く。

今回は、保有個人情報の開示請求についてだ(保有個人情報についても、所謂公文書として取り扱われる)。

一般に個人情報保護法、条例等によってルールが細かく定められているが、大田区教育委員会の場合は、「大田区教育委員会が管理する公文書の開示に関する規則」がある。

この規則では、「第5条 公文書の開示(任意的な開示の場合を含む。以下同じ。)は、当該公文書を管理する課において職員の立会いのもとに行うものとする」と定められていて、この課には、小学校や中学校も1つの課として取り扱うことになっている。

また、「大田区教育委員会事務局事案決定手続規程」では、権限の分離が確認でき、各課長等が決定権限を持つを解される。つまり、決定権限は校長にあるということになるわけだ。

正確には事案の重大性に応じて委員会、教育長などにも権限が及ぶことになっているが、学校の文書の場合は、校長が課の長扱いで、決定権限があると考えていいだろう。

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