担当者の苦しい言い訳
一方で、いじめ問題等でのトラブルで生じる開示請求は、学校と保護者・被害者当人がトラブルとなっているケースが多く見受けられる。対立している同士が一方に重要な書類を求める。その重要な書類には出す側が不利になる要素も含まれるというわけだ。
例えるなら、ウクライナがロシアにちょっと国連に出した文書を出してくれというようなものだ。今回の場合は、ウクライナが国連にロシアが出してるはずの文書くださいと法通りの手続きをしようとしたら、あっそれ、ロシアに直接言ってと言われたようなものだ。
つまりは、簡単に「ありません」「あるけど出しません」と言えるわけであり、手続き上、不満があるなら再審請求でもしてくださいなと言えるわけだ。
上は少々乱暴な解釈だが、少なからず、開示請求する側の心理的な負担は大きくなることは間違いないだろう。
だからこの場合、開示請求の壁を独自に設けたとは言えるだろう。
ただし、これら規則には、窓口の分離は書かれていない。つまり、開示される場所や権限の分離はあっても、請求窓口は法にも定められている実施機関たる教育委員会の窓口になるわけだ。
これについて、担当者は下記のように苦しい言い訳をしている。
法務専門員とも協議の上、教育委員会としての考え方を以下のとおり回答します。
大田区教育委員会指導課では、教育委員会に所在する文書と、学校に所在する文書とで、情報開示請求の窓口を分けており、後者については直接学校宛てに開示請求書をご提出いただく取り扱いとしております。
情報開示請求の対象となる文書の範囲について、所在する文書を具体的に把握している学校と直接やり取りしていただくことが、円滑な情報開示に資すると考えられるためです。
本件でも、教育委員会宛てに開示請求書を提出された場合には教育委員会に届いている文書についての確認となる旨、学校に所在する文書については直接学校に開示請求書を提出されてはどうでしょうかと、担当指導主事及び開示請求の窓口担当者より事前にご説明しており、〇×様におかれましては、これらの旨をご理解ご了承いただいた上で、なお開示請求書を教育委員会宛てに提出することを選択された(学校から教育委員会への連携状況を把握する目的その他の目的により、「その時点で教育委員会に所在する文書」を確認する趣旨での開示請求をなされた)ものと認識し、対応しておりました。
(原文そのまま、被害側提供)
法務専門官とは、弁護士資格を持つ職員のことである。大田区ではこの法務専門官もスクールロイヤーと言うそうだが、この言い訳は違法である。
教育委員会は学校の設置者として、学校が作成・保存する指導要録や出席簿などの公文書を指揮監督し、取り寄せることができる権限(法的占有)を持っているわけで、学校にある文書は、法的には教育委員会が「保有」している情報となる。
物理的な場所ではなく、法的な権限のことを指すのであるから、「僕の周りに見当たらないから、無いなりー、ある所に行ってくれなりー」はキテレツな暴論であり、公的機関が規則も条例を変えずに、勝手にやっていい事ではないのだ。
さらに言えば、大田区の制度において、区立中学校を管理・設置する「実施機関」は教育委員会そのものであり、個々の学校は独立した実施機関では当たらない。つまり、「不存在」と決定を出したことは、不存在の濫用と言えるわけだ。
結果、こうした法令違反を常態化させていたのではないか?と話をしたら、あっさり、文書を差し出してきたのだが、これをやった2025年以前、誤った運用で誤った案内をして、不存在と決定したり、校長が出さなかったというケースがあったとすれば、地方行政上の大問題になる。
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