高市首相「食料品の消費税率1%」で“円の暴落”は回避できるか?日本経済を賭けた“減税ギャンブル”の行方

 

国の方向性として考えておかねばなならない「2年後の出口」

とにかく、国際市場から信じてもらえるのか、問題はその1点ということなのですが、その場合に大きな疑問が残ります。それは、

「消費減税が2年限定だとして、出口はどうするのか?」

という疑問です。政権のホンネとしては、「そんな先のことはSF的な領域であり、分からないし想定もできない」ということなんだろうと思います。確かに「一寸先は闇」である政界の時間軸、そして時々刻々とサプライズが続く国際情勢、更には何が飛び出すか分からないAI革命などの中では、そうかも知れません。

2年なんて先のことは分からないし、今回の場合は、減税開始が2027年4月ですから、2年の時限措置として「出口」は2029年3月になります。確かに気の遠くなるような先の話ですし、例えばですが「そこまで政権が持てば御の字」という感覚があるとして、まあ分からない話ではありません。

ですが、それではダメなのです。なぜかと言うと、金融市場とか、国際的な投資家や投機筋というのは、2年後を考えるような「立派で余裕のある人々」だからではないのです。そうではなくて、国債とかもろもろの債券というのは、2年とか1年の短期だけでなく、もっと長い5年もの、長期の30年ものから40年ものまであるのです。

そのように短期資金と長期資金が組み合わさって入り乱れる中で、国際市場というものは成立しています。そんな中では、「2年先などという未来のことは分からない」というのでは困ります。結果はどうなるか分からない、それはそうかもしれませんが、国の方向性としては「2年後の出口」は考えておかねばなりません。

というよりも、2年後の出口を一応持っていることが、5年、10年、30年、40年という長期にわたる国の信用、通貨の信用のベースになるということです。そして、このことは非常に大切な問題なのです。

可能性としては4つあります。

1)2年後には増税を行って、財政規律を確保するという対外公約を言い続ける

2)今後も外為特会の続く限り、円安防止の介入を続けて、そこで得た差益を減税資金として投入し続ける

3)日本発の多国籍企業だけでなく、日本国内のGDPが正しく成長するように、DX、AI、外国人労働力を適切に利用する姿勢を見せる

4)財政規律の正道として、改めて行政改革を強く実施して、仮に相当な痛みを伴うものであっても、歳出カットを進める姿勢を見せる

大きく分けてこの4つですが、ここで強調しておきたいのは、恐らくこの4つを国の姿勢、政権の姿勢としては全て「強く主張し、強く見せ続ける」ことをしないと、円と国債は持ちこたえられないのではないかと思います。

落としどころとしては、この4つをしっかり訴えて、特に2)は可能な限り続けて、最終的には29年3月の時点でも財政が大きく悪化することは「ない」し、円と国債が暴落することも「ない」という信用を獲得するのです。

そのうえで、では、29年4月の時点で再び食料品の消費税を8%に戻せるのかと言うと、それは「戻せる」ということを胸を張って言うしかないのです。さらに言えば、3)と4)に手応えがあることを見せることで、29年4月以降も「日本は、日本円は大丈夫だ」ということを言うしかありません。

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