高市首相「食料品の消費税率1%」で“円の暴落”は回避できるか?日本経済を賭けた“減税ギャンブル”の行方

 

「これから悪化」することが確実な国民の実質的な手取り

つまり、2027年4月から2029年3月の2年間、消費税減税を行いつつ、財政規律を維持するのです。そのうえで、自転車操業的に外為特会の差益を減税原資としてブチ込むだけでなく、3)と4)、つまり国内ベース、GDPの成長と、行政改革による財政健全化への方向転換を見せるのです。

そのような「2年間」を国際市場からの信認を保ちつつ乗り切ることで、始めて29年4月の出口が見えてくるのだと思います。これは非常に難しい話ですが、高市政権のこれは使命だと思って取り組むしかありません。

まずは、現在、2026年6月に入った現時点での経済の足元を見るのであれば、イラン情勢による原油高、ナフサ需給の問題を契機にした「値上げ」は「まだこれから」です。そして、恐らくトランプ政権も、イランの宗教体制も「政治的には対立を欲する」体質を克服できないでしょう。ということは、国民の実質的な手取りは「これから悪化」します。

その意味で、給付か減税かという選択肢は依然としてあるにしても、政治は何もしないわけには行かないと思います。そうではあるのですが、減税が円の暴落の引き金を引いては本末転倒です。とにかく、世界の金融市場からの信認を切らさない、これが当面の大きな問題になると思います。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2026年6月2日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。今週の論点「コンサル就職ブームはオワコンなのか?」、人気連載「フラッシュバック81」もすぐに読めます。

この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ

初月無料で読む

◆トークイベントのお知らせ◆

冷泉彰彦さんトークイベント『国債暴落、円防衛に必死の財務日銀に勝機はあるのか?&AI革命で大混乱のアメリカ、日本への影響は?』Zoomウェビナーで開催決定!

日本国内では国債利回りの上昇と急激な円安に対し、財務省・日銀が必死の防衛戦を続けています。一方、太平洋を挟んだアメリカでは、生成AIの爆発的進化が労働市場・産業構造・社会のあり方を根底から揺さぶる「AI革命」が進行中──。

日米それぞれで起きている激動は、決して別々の出来事ではありません。両国の動きは複雑に絡み合い、私たちの暮らしや資産、ビジネスに今まさに大きな影響を及ぼし始めています。

米国プリンストンに長年暮らし、日米双方の現場感覚を併せ持つ作家・冷泉彰彦が、メディアでは語られない両国の最新動向と本質を読み解き、5年後の世界を展望する貴重な90分です。

プログラム(予定)

■第一部 国債暴落、円防衛に必死の財務日銀に勝機はあるのか? 今後の展開は?
日本の財政・金融が直面する正念場を、最新データと国際的視点から徹底解説。

■第二部 AI革命で大混乱のアメリカ、日本への影響は?そして5年後の世界はどうなる?
現地在住者の感覚で、アメリカで起きている変化と、日本に押し寄せる波を読み解きます。

■第三部 冷泉さんへのQ&Aコーナー
参加者からのご質問に、冷泉さんが直接お答えします。 ※リアルタイムでチャット欄からご質問いただけます。

開催概要
日時2026年6月13日(土)10:00~11:30(90分)
形式:Zoomウェビナー
受講方法:お申込み後、視聴用URLをメールにてお送りします

お申込みは、今すぐ下記URLへ
https://peatix.com/event/5026481/view

参加チケット:5,500円(税込) 


初月無料購読ですぐ読める!6月配信済みバックナンバー

※ 2026年6月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、6月分のメルマガがすぐにすべて届きます。
  • 【Vol.641】冷泉彰彦のプリンストン通信  『高市減税案で円暴落は回避可能?』(6/2)

いますぐ初月無料購読!

image by: 首相官邸

冷泉彰彦この著者の記事一覧

東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 冷泉彰彦のプリンストン通信 』

【著者】 冷泉彰彦 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 第1~第4火曜日発行予定

print
いま読まれてます

  • 高市首相「食料品の消費税率1%」で“円の暴落”は回避できるか?日本経済を賭けた“減税ギャンブル”の行方
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け