【迷惑?】高齢者のマンション「孤独死」が資産価値を200万下げる

 

Aさんの場合は、週に2回は娘であるAさんがお父さんと何らかの連絡をとっているので、もしものことがあっても、1~2日の間には親族が駆けつけ、何日も放置されるような、いわゆる孤独死にはならないのですが。

そういう連絡を取り合っている親族がいない高齢者もいます。中には何らかの事情で親族と絶縁していて、亡くなった後に連絡をしても受け取りを拒否するケースもあるのです。

じゃあ管理組合が、一人暮らしの人からは、万が一の後始末費用を事前に預かっておくことも必要? なんて、冗談(?)まで出たのですが……。

親族や近隣とのつながりがあって、亡くなったことに誰も気が付かないというような心配はいらない人と、孤立していて、何日も誰も気が付かないという状況の人と簡単に見分けがつかないからたいへんです。

サポートが必要な人かどうかは、直接、話してみなければわかりません。

話す機会を持っても、親族との事情は、よほど心を許さないと話さないでしょうから、時にはうるさがられながらも地域包括支援センターや民生委員の人は足を運ぶのです。

これからマンションの管理組合や自治会も、その活動の一部を担うことになると、やはりうるさがられても足を運ぶことになるでしょう。

その見守りが、その高齢者のためというより、マンションの資産価値下げないため、管理組合が面倒なことに巻き込まれないようにするため……と言うのは、一瞬ちょっとさびしい気がしますが、放っておいてくれタイプの人は、周りに迷惑を掛けるのもいやでしょうから、きちんと話せば理解して、いざというときの対策を自分でとるような気がします。

「あなたのためだから」というアプローチよりは、心に届く気がします。

私も、できるだけ自由に生きたいタイプですが、だからこそ、周りに迷惑を掛けないための準備をしておかなくては……そして、それをちゃんと届け出ておかなくては……と改めて思いました。

そういう意味では、自分の死後のことを考えずに、行政や管理組合のアプローチも拒否もして、一人でひっそり死んでいく自由は、マンションにはないのかもしれません。

image by: Shutterstock

 

『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』
マンションのことなら誰よりもよく知る廣田信子がマンション住まいの方、これからマンションに住みたいと思っている方、マンションに関わるお仕事をされている方など、マンションに関わるすべての人へ、マンションを取り巻く様々なストーリーをお届けします。
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