業界の関係者より、杭のデータ偽装に走った現状を生んだ発端は実は10年前の耐震偽装問題で、国の指示で検査体制が強化されたことと無関係ではないと聞きました(表だって言えないけど…と)。
現場に常に張り付いていられない以上、検査体制の強化は、たくさんのデータや書類を求めることに繋がります。
そして書類によるチェック体制では、設計図通りに造ることが一番の価値になり、実際によい工事をするより、きれいにデーターや書類が整うことが何より重視されるようになったといいます。
それによって、現場で、自分たちの感覚を信頼して、誇りを持ってよい仕事をするということの価値がどんどん薄れていった…。そして現場監督は書類を整えるのに忙し過ぎて、なかなか現場にも顔を出せなかった…と。
で、検査する側は、できるだけ現場を見ないようにしている…とも。もし現場で何か発見してしまったら、たいへんだし、現場に行けば、そのときに見たはずだと言われる…。
検査を書類のチェックにしておけば、もし意図的な書類の差し替え等で発生しても、それは、書類を偽造した人の責任で、検査した側の責任じゃないと言えるから…。
そんな話を聞いたことがあります。
現場も検査をする人もそんな仕事をしていては、充実感は得られないだろう…と。
今回の問題で、また書類主義、データ主義が進むことを憂慮します。
現場はますます疲弊し、仕事に誇りを持てなくなってしまうのではないかと…。
昔は確かにあった、家を造る人の誇りを思い起こしたい…「下町ロケット」の世界を諦めたくないと思うのです。
なんか、熱くなっちゃいました。
みんなが自分らしく輝いて役割を果たし、力を合わせることで豊かに回っていく社会…私の夢ですから!
image by: TBS
『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』
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