意味がないから意味がある。ビジネスの成功に雑談力が欠かせないワケ

 

雑談はとりとめのない会話で、意味がない、と言いましたが、内容に意味がないということは、雑談自体に意味がなく、雑談をすることに何の効果もないということではありません。それどころか、雑談が仕事に必須であり、仕事のスキルの1つであることは多くの方が感じていると思います。

雑談が苦手だ、という悩みを持つ人も、意味のない会話をすることが必要であることがわかっていながら、それがうまくできないからこそ悩んでいるのでしょう。必要ない、と思っていたら、悩む必要もありません。

雑談は、意味のないところに意味があります。初対面の人と会って、相手のことが何もわからないのに、いきなりビジネスの話をし出したら、ギクシャクしてしまいます。相手と仲良くなろうとしても、相手がどういう人かわからないと、仲良くなるための糸口がつかめません

仕事仲間でも、一切雑談をせずに、事務的に進めていると、言葉の真意を測りかね、誤解をして失敗したりすることもあります。

雑談には、初対面の人との距離を縮めたり、円滑に仕事ができる人間関係を築いたり、相手の人間性を知ったり、といった効能があるのです。その意味で、雑談は、のちに本当に意味がある会話をするための懸け橋、いわば「ゴールデンブリッジ」になりえるものです。

そう考えると、意味を重視する人、意味のないことを話したくないという人が、雑談とどのように関わっていくべきかということも見えてきます。

雑談には、内容に論理的整合性や相手にとってのメリットなどを考える必要はありません。意味のないことを話すことこそが大切なのです。

相手と「仲良くなりたい!」と思ったら、その手段として、意味のない内容の雑談をすることが必要なのです。もし、「意味のない話はしたくない」と思ったら、そう考えて、雑談を戦略的に見直してみたら、いかがでしょうか。

今回は、ここまでです。

image by: Shutterstock

 

弁護士谷原誠の【仕事の流儀】
テレビ朝日「報道ステーション」などテレビ解説でもお馴染み、「するどい質問力」(10万部)、「弁護士が教える気弱なあなたの交渉術」(アマゾン1位獲得)の著者で現役弁護士の谷原誠が、論理的な思考、説得法、仕事術などをお届け致します。
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