健康診断の落し穴。医者が「早期発見」を促すもうひとつの理由

 

より詳細な健康診断を受けると、それだけ「異常な数値」がその結果に多く出てきます。そうすると、自分でも「大丈夫か?」と心配になり、医師からも再検査を勧められる、その結果自分では「大したことない」と思っていても、とりあえず薬が処方されて「様子を見ましょう…」ということになる…。元々具合が悪いわけではないので、薬を飲もうが具合に変化はない…、ただ薬を飲んだだけ」…、ということが起きたりするのです。

「薬を飲んだだけ」でも、再検査を受けたから病院には治療費を払い、薬局には薬代を払う、健康保険と自分のお財布からの「お金」が病院と薬局に移転する、要するに、ある意味「無駄に健康保険の財源と自分のお財布からお金が逃げていくのです。

詳細な健康診断を受ける人が増えれば増えるほど、「異常な数値」を示す人は増えるから、その結果「再検査」等で病院や薬局にお金を払う人も増える…、より多くのお金が健康保険の財源と人々のお財布から、病院や薬局に消えて、病院や薬局製薬会社に移っていくのです。

もう10年くらい前になりますが、とある病院で人間ドックを受け、その健診結果を受け取りに病院に行ったとき、健診結果を私に渡す医師は、こんなことを言いました。

「最近の健康診断は、項目が多すぎるから、異常な数値が出るのは当たり前。気にしなくていい数値はたくさんある。あなたにもいくつか異常数値があるけれど、気にしなくていいよ。最近の健康診断は行き過ぎだよ!」

詳細な健康診断→異常数値→再検査→薬処方

その結果、健康保険の財源が減り、自分のお財布のお金が減り、病院・薬局・製薬会社が儲ける。「キャリアアップ助成金健康管理コース」や「テレビでの芸能人の健康診断」、上記の流れへの誘導なのではないか、と思います。

image by: Shutterstock

 

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