22兆円の爆風。中国バブル崩壊で世界で一番被害を受ける日本

 

さて、中国が貸出を増やすように指令を出しているようですね。これは間違いなく不動産への資金の流れを助長させる行為につながりますし、短期的にはお金が回るようになりますが、長期的には不良債権返せなくなる借金を増加させる動きに繋がります。

中国政府としては、景気が悪化すれば中国の国力が弱まっていると思われる上中国共産党への求心力の減衰につながります。それだけは避けなければならないため、今回のような短期的な政策に走ろうとしているのかもしれません。

今回のようにバブルを続ければ、いずれどこかで破たんします。不良債権が明るみに出ると、バタバタと銀行が潰れ出します。以前、中国のシャドーバンクの危機が起こりかけたのですが、その時は、中国政府が主導してもみ消しました。株式市場も閉鎖して大騒ぎになりましたね。

中国は、今後もバブルを維持する明確な姿勢を持っています。このバブルをいつまで支えることができるのか?

現状、世界の経済は、だましだまし進んでいます。リーマンショックで発生した不良債権はFRBが買い占め、保有したままですし、ヨーロッパでもギリシャの債務は消えてなくなったわけでもありません。

そう考えれば、中国の銀行が不良債権を抱えたとしても、中国の中央銀行がしれっと保有し続けることで、解決してしまう可能性もあります(そもそもリーマンショックでも、リーマンブラザーズを潰さなければあそこまでの大恐慌にならなかった可能性があります)。

昔に比べ、金融緩和方法に柔軟さが出ているので、中国のクレジット崩壊は、国家が徹底的に隠ぺいすると決めてしまえば、案外起こりづらいかもしれません。それでもいつ発生するか分からないのが怖いんですよね…。我々は不確実性の中を泳ぐように投資しないといけないのです。

もちろん、円を保有して貯金しているだけと思っている人たちもここから逃れることはできません。円でしか貯金しないという行為は、円と言う通貨に一点張りのリスクの高い投資を行っているのですから。

それにしても中国の動向が気になりますね。中国の不動産バブルはどこまで突き進むのか…。そもそも民主国家でない中国は、国家が市場に介入し続け、延々とバブルを続ける可能性すらあります。

もちろん、理論上は、国家の債務が増えすぎれば、ハイパーインフレを招き、非常に悲惨な結果が待っているわけですが…。どうなるんでしょうかね…。

image by: Frame China / Shutterstock.com

(※編集部注:一部、記事内容を修正いたしました)

 

毎日5分! 経済英語NEWS!』より一部抜粋

著者/八木翼
TOEIC235点だった私が900点を超えるまでの勉強の過程で感じた、「英語のニュースを解説してくれる教材があったらいいのに」という思いを形にしました。全ての英文に和訳、文法解析がついています。
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