まさにお先真っ暗。北朝鮮国民の7割が電気を使えない驚愕の電力事情

 

電気は国家を運営することにおいて必需の基幹設備としてもっとも重要な要素であり、特に北朝鮮の立場からは極めて不足な電気による経済開発が不可能だということを知っており、金正恩は「国家経済開発5か年戦略」を提示しなが ら電力難の解消を政策の上位目標に設定したのは当然の事でしょう。

1990年を起点に北朝鮮の電力事情は毎年のように悪化してきています。水力と火力の比重が「6対4」からなっており、さらに、北朝鮮の発電設備の平均利用率は2014年には34%水準で極めて低い状況です。また、北朝鮮は国内の各地で生産される石炭と水資源を利用して発電をしており、原油の輸入は資金事情によって極めて制限的であり、北朝鮮で生産される石炭は品質が劣っているために効率が悪く、水資源は干ばつと山林の荒廃により、さらには電力生産設備の老朽化が深刻な状況にあります。

工場の操業も、電力不足と電圧が不安定なために、まともに操業できないこと もしばしばで、工業地帯のトンネル内では送電量不足によって、電気機関車が立ち往生することもある」と脱北者は言っていました。

北朝鮮では「電力は1にも2にも軍需工場や軍部隊などに優先的に供給されるもの」で、民生用の電力供給は後回しにされるのです。つまり、北朝鮮のショウウインドー都市であ る平壌には優先的に電力が供給され、地方都市や農村、山間地域などには潤沢で良質の電力は供給されないのです。

宮塚コリア研究所代表 宮塚利雄

image by: Shutterstock

 

宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』より一部抜粋

著者/宮塚利雄
元山梨学院大学教授、現宮塚コリア研究所代表。テレビなどのメディアでは決して話せない北朝鮮やアジアに関するマル秘情報、長年の研究対象である焼肉やパチンコだけではなく、ディープな在日朝鮮・韓国社会についての見識や朝鮮総連と民団のイロハなどについても語ります。
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