南シナ海裁定で完敗した中国、世界の「判決を支持」反応に逆ギレ

 

どんな判断が下された?

フィリピンの訴えは、どのようなものだったのでしょうか?

フィリピンによる提訴は、自国がEEZを利用する権利を明らかにしようとする約15の項目から成る。

 

中国によるスプラトリー諸島の7つの岩礁における埋め立てや人工島の造成だけでなく、漁業や浚渫(しゅんせつ)、当局による監視などの活動に対しても異議を申し立てている。

 

また、黄岩島(同スカボロー礁)を中国が実効支配していることに対しても異議申し立てを行っており、スカボロー礁が完全にフィリピンのEEZ内であるとする判断を求めている。

 

南シナ海の大半に主権が及ぶとの主張において、中国が基準としている「九段線」の合法性をめぐる裁定は、どのような内容であれ、注視されるだろう。

 

九段線は他の国々のEEZに交わっており、東南アジア海域の中心部にまで深く入り込んでいる。
(同上)

では、仲裁裁判所は、どんな判断を下したのでしょうか? CNN.co.jp7月13日付から。

中国は、海南島の南方から東方にかけて、南シナ海の9割を囲い込む「九段線」という境界線を設定し、資源採掘や人工島造成を行う権利の根拠としている。仲裁裁はこの権利を認めない立場を示した。

 

仲裁裁はまた、中国が人工島から200カイリまでを排他的経済水域(EEZ)としてきた主張に対し、人工島はEEZ設定の根拠にはならないと判断した。さらに、中国は人工島周辺で自然環境を破壊しているとの見方を示した。

 

中国の主張する、いわゆる「九段線はっきりと否定された形です。

激怒する中国

このように仲裁裁判所は、明確に中国の主張は違法だ!」と判断しました。仲裁裁判所の判断には、「拘束力がある」とされていますが、従わなかった時に制裁したり、執行させる仕組みがありません。つまり、中国が従わなくても実質何も起こらない。実際、中国は従わない!と宣言しています。

仲裁判断、中国外交に大打撃 習主席「一切受け入れない」

AFP=時事7月13日(水)10時7分配信

 

【AFP=時事】オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)が南シナ海(South China Sea)をめぐる中国の主張には法的根拠がないとの判断を示したことについて、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、一帯の島々は古来より中国の領土だとして、政府は今回の判断に基づくいかなる行動も受け入れないと述べた。国営の新華社(Xinhua)通信が伝えた。

 

フィリピンの訴えを受けた裁判で仲裁裁が12日に下した判断は、天然資源も豊富な南シナ海の支配に野心を燃やす中国にとって外交的な大打撃となった。中国政府は真っ向から拒絶しており、中国外務省は同日のうちに「判断は無効で何の拘束力もない」との声明を出した。

 

新華社によると、中国の在オランダ大使は「きょうはハーグにとって『ブラックチューズデー(黒い火曜日)』になったと批判。判断は「国際法を辱めた」とこき下ろした。

判断は「国際法を辱めた」そうです。「悪いのは中国ではなく、仲裁裁判所だ」と。

print
いま読まれてます

  • 南シナ海裁定で完敗した中国、世界の「判決を支持」反応に逆ギレ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け