先進国で最多となった「祝日」が、日本人の収入格差を広げている

 

企業側の対策は?

企業側での対策として主に2つある。1つは具体的な方策としてテレワークの実施。在宅勤務の促進として祝日を法律上すぐになくすことができないなら休みに関係なく在宅勤務ができるような環境づくりを考えるというもの。「テレワーク人口実態調査」の2015年度版における先行導入企業のヒアリング結果をみると、「日本マイクロソフト」「カルビー」「中外製薬」「日本航空」「明治安田生命」「佐賀県庁」などさまざまな企業や自治体が導入している。実態は400~500万人と言われるが、海外での導入はもっと多い。こういった在宅勤務をもっと増やせば給与も増加する。

2つ目は、祝日を減らし有給休暇を取りやすい環境を作るということがある。日本の企業では有給休暇を付与されているもののなかなか取得することができない。そこで、有給休暇を正規、非正規を問わず取得できるようにする。フランスやドイツなどは、大型連休が地域別に分散している。フランスは学校の休みを地域ごとに分け、そこに合わせて休む。日本列島は長いので、北と南で休みを変えても良いのではないか。それは地域に権限を持たせるというメリットもある。そういったことも1つの手であるように思う。

祝日の取得方法の工夫を

最近私が思うのは、祝日を地域ごとに分散されるのと同時に祝日の意味が徐々に薄らいできている。1月15日は昔から成人の日だったが、2016年の成人の日は1月11日。いったい何の日だったのかということになる。休みにはそれぞれ古来の由来があるわけなので、由来をはっきりさせる上でも本来の日に戻す方が意味があるようにも思う。休みの意味が失われ、休みが多い方がいいとなったが、その反面ひずみも出て来ている。

今回は祝日が少し多すぎるのではないかという提言をしたが、批判も多いと思う。祝日を減らすというよりはどういう取り方をするかという工夫も必要ではないかと思う。

(TBSラジオ「日本全国8時です」9月27日音源の要約です)

image by: Shutterstock

 

ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」
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